Scope3排出量をより正確に計算するための化学業界における新しいガイドライン

bannar

化学業界の持続可能なサプライチェーンを推進する国際イニシアチブTogether for Sustainability(TfS)は、化学製品のカーボンフットプリント(PCF)を計算するための新しいガイドラインを発表しました。これにより、特にScope3排出量をより正確に計算、追跡することが可能になります。Scope3排出量とは、Scope1・Scope2以外の間接排出を指し、具体的には事業者の活動に関する他社の排出を意味します。

また、化学業界全体のPCFの計算方法を標準化することで、大部分の化学製品に適用することができます。そして将来的には、消費者が製品の気候への影響を直接比較および評価することが可能になります。

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排出量の正確な計算によって、気候目標達成へ

化学製品の製造工程は複雑であるため、購入した商品のScope3排出量を測定することは困難とされてきました。新しいガイドラインは、こういった課題を解決することを目的としています。それだけではなく、Scope3排出量がより明確になることで、企業やサプライヤーは効率的にGHG排出量の削減に取り組むことができるようになるため、最終的には業界全体の排出量を改善できると期待されています。

TfSガイドライン作成の責任者であるPeter Saling教授は、次のように述べています。「これまで化学業界には、製品のカーボンフットプリントを計算するための共通の基準がありませんでした。また、PCFデータの入手方法は限られており、数値を比較できない場合が多いです。新しいガイドラインは、比較を可能にすることでこのギャップを埋め、化学物質から発生する排出量に関する情報を共有するための方法の提供を可能にします。」

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