カーボンフットプリントとは?CFPプログラムの詳細と取り組むメリットを紹介

bannar

脱炭素社会を目指していく中で不可欠となる環境貢献を意識した商品やサービスの提供。対象の商品が作られる上で排出するCO2の量を「見える化」させるCFPコミュニケーションプログラムやカーボンフットプリントの意味などをわかりやすく解説します。

目次

カーボンフットプリント(Carbon Footprint)とは?

「カーボンフットプリント(Carbon Footprint)」とは、直訳すると「炭素の足跡」となります。広義として捉えると「ほかの温室効果ガスを含めたCO2排出の換算量」ですが、狭義では「製品やサービスの原料調達から廃棄までの一連のライフサイクルからのCO2排出量」を指しています。

海外では「カーボンフットプリント」と言うと、製品やサービスだけではなく「企業や個人の排出量」をイメージする場合が多い一方、日本においては「製品やサービスのカーボンフットプリント(Carbon Footprint of Products)」をイメージする場合が多いです。そのため、省略してカーボンフットプリントを「CFP」と呼びます。

次章では、CFPコミュニケーションプログラムについて解説していきます。

参考:カーボンフットプリント入門 (tco2.com)

製品や商品のライフサイクルにおいての環境負荷を見える化する手法を「ライフサイクルアセスメント(LCA)」と呼びます。カーボンフットプリント(CFP)との違いは、LCAは温室効果ガスの排出量のみならず、資源枯渇や酸性化も対象としている一方、CFPは対象を温室効果ガスに限定しています。囲みに、CFPはLCA手法を基礎としています。

CFPコミュニケーションプログラム(CFPプログラム)とは?

「CFPコミュニケーションプログラム(CFPプログラム)」とは、商品やサービスの原料調達から廃棄までの一連のライフサイクルの中で、排出された温室効果ガスをCO2量に換算し、商品やサービスに添付し消費者に対して「見える化」させる取り組みです。

CFPコミュニケーションプログラム(CFPプログラム)の4つの目的

CFPコミュニケーションプログラム(CFPプログラム)には以下の4つの目的があります。

  1. 製品やサービスの温室効果ガスの排出量を「見える化」する
  2. 事業者と消費者の間でCO2排出量削減行動に関する「気づき」を共有する
  3. 「見える化」された情報を用いて、事業者がサプライチェーンを構成する企業間で協力して更なる CO2排出量削減を推進すること。
  4. 「見える化」された情報を用いて、消費者がより低炭素な消費生活へ自ら変革していくことを目指す

出典:CFPプログラム概要 (cfp-japan.jp)

CFPコミュニケーションプログラム(CFPプログラム)の一例

例えば洋服の場合、その製品を作る過程で発生する温室効果ガス、配送中に発生する温室効果ガス、そして捨てるとき・リサイクルのときに発生する温室効果ガスなど、その製品のライフサイクルで発生したすべての温室効果ガスの合計の数値を、その製品に記載します。

カーボンフットプリント(Carbon Footprint)を意識するメリット

カーボンフットプリント(Carbon Footprint)を意識することは、さまざまなメリットに繋がります。

カーボンフットプリントを意識するメリット

環境意識の高い顧客の購買を促進できる

近年、地球温暖化の進行にともない、環境のために行動を起こす消費者が増えてきました。そのため、環境に優しい・CO2をあまり排出してない、ということが消費者に伝わると、環境意識の高い消費者の購買意欲をかき立てることができます。

環境問題への取り組みをアピールできる

カーボンフットプリントを通して消費者に「環境に貢献している」ということを伝えることで、企業のイメージアップにも繋がります。投資の観点から見ても、環境に配慮している企業へ優先的に投資する(ESG投資)が注目を浴びているため、投資家たちへの良いアピールとなります。

環境への取り組みを示すCFP認証マーク/エコリーフとは?

「カーボンフットプリントマーク(CFP認証マーク)」とは、カーボンフットプリントを通してCO2排出量が見える化された製品やサービスが、一定基準を満たしていた場合に貼ることができるマークです。

現在は「エコリーフラベル」と統合しているため、CFPの新規登録ができません。2017年4月より統合版「エコリーフ環境ラベル」の取り組みが開始されています。

エコリーフ環境ラベル(CFP認証マーク)の例

エコリーフ環境ラベル(CFP認証マーク)が添付されている商品として、次の3つを例に挙げます。

  • CO・OP ただの炭酸水(天然水使用)(日本生活協同組合連合会)
  • 森の薫りハーフベーコン(日本ハム)
  • AJINOMOTO さらさら®キャノーラ油(業務用食用なたね油)(株式会社J-オイルミルズ)

ほかにもたくさんありますので、ぜひスーパーやお店で探してみてください。

エコリーフ環境ラベルを取得する手順

エコリーフ環境ラベルを取得するには、次の手順が必要となります。

エコリーフ環境ラベルを取得する手順
  1. エコリーフ環境ラベル認証する商品のPCRを選定する

最初に、エコリーフ環境ラベル認証したい商品のPCR(Puroduct Category Rule:製品カテゴリールール)を選定します。PCRが無い製品は、新たにPCRを作成する必要があります。

  1. 環境影響を測定し、宣言書類を提出

申請事業者が算定ツールを使用して、環境への影響を測定し、宣言書類を提出します。算定した結果は、第三者が検証していきます。

  1. 検証に合格し、登録公開申請で使用可能に

検証に合格したあとは、登録公開申請をおこないます。そうするとウェブサイトに宣言が公開され、マークの使用が可能になります。

参考:プログラムへの参加 (ecoleaf-label.jp)

まとめ|カーボンフットプリントをまず知ることから

年々ますます環境問題にスポットライトが当たってきており、企業だけでなく、個人単位での環境保全活動が推進されるようになってきました。エコリーフ環境ラベルが貼ってある商品を買うことはとても身近で手軽に環境に配慮した行動を取れるため、需要が高くなってきています。社会に環境に貢献した企業だとアピールできるよう、カーボンフットプリント導入を考えてみませんか。

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