GXリーグとは?参画要件と3つのメリット・今後の動向を解説

bannar

GXリーグとは、GX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む企業群が一体となり、経済社会を変革するために議論したり市場を創造したりする場を指します。具体的には、炭素の排出量削減への取り組みや、目標達成のための排出量取引などをおこないます。排出量の多い業種企業のほか、小売や金融機関など440社が賛同しています。本記事では、GXリーグやGXとは何かを紹介したのち、GXリーグの方向性を示す基本構想、さらに参画の要件やメリットについて解説します。

目次

GXリーグとは

「GXリーグ」とは、GX(直下に説明あり)に取り組む企業が、同じくGXの取り組みをおこなっている官公庁・大学とともに、経済社会システムの変革や新たな市場をつくるための実践をおこなう場です。

GXリーグは「リーダーシップ」をコンセプトとし、2050年のあるべき社会・企業像の実現をリードする未来企業の集合体を目標としています。また、GXに自発的に取り組んでいる企業がCO2排出削減に貢献しつつ、外部から正当に評価され、成長できる社会(経済と環境や社会の好循環)を目指しています。

詳しくはこちらを参照してください。

>>GXリーグ (gx-league.go.jp)

GXとは

「GX」とは「グリーントランスフォーメーション」の略であり、環境を表す「グリーン」と、変革を表す「トランスフォーメーション」が組み合わさった造語です。経済産業省が提唱するカーボンニュートラルの達成を目指した取り組みを指しており、CO2排出ゼロのグリーンエネルギー(再生可能エネルギー)にシフトし、地球環境を変革することを目指しています。

GXへの関心が高まっている背景

加速する地球温暖化への対策として、各国でカーボンニュートラルの実現が掲げられています。そのカーボンニュートラルを実現させるため、環境への取り組みを進める新しい構想である「GX」が注目を浴びています。

※カーボンニュートラルとは

排出されたCO2や温室効果ガス(カーボン)をできるだけ削減し、削減しきれなかった分を森林の吸収分と相殺し、実質排出量ゼロを実現することを指します。

「カーボンニュートラル」と「ゼロカーボン」は同じ意味を持ちます。

GXリーグ基本構想

GXリーグの基本構想について解説していきます。

カーボンニュートラル達成に向けた対話

GXリーグを通して下記の3つの取り組みをおこない、新たな市場の創造や経済社会システムの変革、また日本の各企業が国際的にも競争力を発揮できる環境の構築を目指しています。

  1. 未来社会像対話の場:2050年カーボンニュートラルの未来像や移行像を「対話」を通じて創造する
  2. 市場ルール形成の場:将来の健全な市場を官庁と民間企業で創造する
  3. 自主的な排出量取引の場:GX投資やCO2排出量削減を社会に開示する

対話の場(1)とルール形成の場(2)はお互いにニーズとアイデアを共有し、新たな市場の創造に向けて連携をおこないます。取引の場(3)は(1)と(2)の議論に対する足元の実践活動とし、企業が情報開示によって外部からの評価を得るための取り組みです。

画像引用:GXリーグ準備期間(2022年度)の 活動について (gx-league.go.jp)

参考:440社の「GXリーグ賛同企業」と共に、カーボンニュートラルに向けた社会変革と新たな市場創造の取組を進めます! (meti.go.jp)

参考:GXリーグ準備期間(2022年度)の 活動について (gx-league.go.jp)

健全な市場創造のためのルール形成

新しい市場を作るにあたり、官と民で将来のビジネス機会を踏まえながらルール形成をおこなう場(:市場ルール形成の場)を設けています。テーマ別にルールワーキング・グループを設定し、ルール設計はもちろん、最終的には世界に向けた情報発信などもおこなっていきます。

画像引用:GXリーグ準備期間(2022年度)の活動について (gx-league.go.jp)

参考:GXリーグ準備期間(2022年度)の活動について (gx-league.go.jp)

GXリーグへの参画に求められる要件

GXリーグへの参画には、以下の3つの取り組みが求められます。

排出削減目標の設定と取り組み

パリ協定で設定された「1.5度目標」を達成するため、自ら目標達成に向けた目標設定と、それに向けた挑戦、またその公表をおこなうことが求められます。

設定した目標を達成するために積極的に取り組み、その進捗度合いを毎年公表していきます。

サプライチェーン全体でのカーボンニュートラルを目指す取り組み

サプライチェーン上流の事業者へ2050年カーボンニュートラルに向けた取り組み支援をおこなうこと、そしてサプライチェーン下流の需要家や消費者に対しても、環境に対する意識の向上や付加価値の提供が求められます。

市場のグリーン化を牽引する取り組み

気候変動の取り組みに関する対話をおこない、そこで得た学びを自社の経営に生かすことが求められます。新たなグリーン製品・サービスの創出を通じたグリーン市場の拡大、またそういった製品・サービスの購入によって消費市場のグリーン化を図っていきます。

GXリーグ参画による3つのメリット

GXリーグへの参画によってもたらされるメリットを3つ紹介していきます。

企業ブランディング

地球温暖化が世界中で問題視されている中で、環境に配慮して経営をおこなっている企業は、自然と社会からの評価も高くなります。GXに積極的に取り組んでいることを社外にアピールすることで、自社の企業価値向上に活用することができます。

投資家や金融機関からの優遇措置

GXリーグ内での情報交換の中で、流動的なGXに関する情報が取得しやすくなります。そこで得た情報を活用することで、金融機関や投資家からの資金を得やすくなる可能性があります。

カーボンクレジット市場での取り引き

「カーボンクレジット市場」とは、CO2排出削減量をクレジットとして取り引きを可能にする新しい市場です。2022年9月22日に実証が開始されました。この市場に参加するためには東京証券取引所に「実証参加者」として登録する必要がありますが、GXリーグに参加している企業由来の超過削減枠の設置も予定されています。

画像引用:GXリーグについて (meti.go.jp)

詳しくはこちら

>>カーボン・クレジット市場 (jpx.co.jp)

>>GXリーグについて (meti.go.jp)

参考:「GXリーグ」では排出量取引も。脱炭素の情報や資金集まる場となるか (reivalue.co.jp)

まとめ|GXリーグの今後の動向に注目

世界全体でカーボンニュートラルを実現させるためには、より多くの国で多くの企業が高い温室効果ガス排出量削減目標を持って、積極的に取り組みをおこなうことが必要です。GXリーグはそういった企業を増やし、新たな市場を作ることを目的としています。

世界の流れに置いていかれないよう、GXリーグの今後の動向を常に追いかけていきましょう。

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