グリーントランスフォーメーション(GX)とは?海外・日本企業の事例5選

bannar

グリーントランスフォーメーション(GX)とは、地球温暖化防止を目的として、化石燃料を控え、再生可能エネルギーの使用を目指す取り組みを意味します。また、それは環境負担の低い経済活動の持続をめざし、エネルギーの生産や企業の活動・サプライチェーン全体においての改善を目的としています。この記事ではグリーントランスフォーメーション(GX)の構造と意義、海外・日本企業の取り組み事例を解説します。

目次

グリーントランスフォーメーション(GX)とは

「グリーントランスフォーメーション(GX)」とは、経済産業省が提唱している成長戦略の1つであり、カーボンニュートラルを達成するために必要とされている取り組みです。「環境」を意味するグリーンと、「変革」を意味するトランスフォーメーションが組み合わさって作られた用語です。

日本は2020年10月、2050年までに日本の温室効果ガス排出量を全体としてゼロにする、カーボンユートラル宣言を発表しました。これを達成するためには、環境配慮と経済成長のどちらもおこなっていかなければなりません。そのためにCO2排出ゼロの再生可能エネルギーといったグリーンエネルギーにシフトチェンジし、地球環境を変革(トランスフォーメーション)することを指しています。

また、グリーントランスフォーメーション(GX)と似た言葉に、デジタルトランスフォーメーション(DX)があります。デジタルトランスフォーメーション(DX)については、次で解説していきます。

「カーボンニュートラル」と「ゼロカーボン」は同じ意味です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

「デジタルトランスフォーメーション(DX)」とは、デジタル技術によって生活が変化(トランスフォーメーション)していくことを指します。

「デジタルトランスフォーメーション(DX)=IT化」ではなく、IT化はデジタルトランスフォーメーション(DX)の手段の1つであり、IT化の行き着く先がデジタルトランスフォーメーション(DX)です。例えば手紙や電話で交流していた相手とメールやSNSでやりとりするようになることを「IT化」といい、そうした変化によって生活が変わっていくことを「デジタルトランスフォーメーション(DX)」といいます。

グリーントランスフォーメーション(GX)が注目される背景

グリーントランスフォーメーション(GX)の代表的な1つである「(カーボンオフセットによる)ネットゼロ」が世界企業で重要視され始めていることが、グリーントランスフォーメーション(GX)への注目度を上げている大きな理由の1つだと考えられています。

カーボンオフセットとは、どうしても削減できないCO2排出量を、植林や森林保全などの活動や取引、投資により相殺しようとする仕組みです。1997年のイギリスで生まれたこの取り組みは今や世界中でおこなわれており、日本でも多くの企業が取り組んでいます。

グリーントランスフォーメーションの施策「GXリーグ」とは

「GXリーグ」については、2022年2月1日に経済産業省が公表した「GXリーグ基本構想」において、次のように記述されています。

GXに積極的に取り組む「企業群」が、官・学・金でGXに向けた挑戦を行うプレイヤーと共に、一体として経済社会システム全体の変革のための議論と新たな市場の創造のための実践を行う場として「GXリーグ」を設立します。

GXリーグ基本構想 (meti.go.jp)

「官・学・金」とは官公庁、教育/研究機関(ex. 大学)、金融機関の3つを指しています。グリーントランスフォーメーション(GX)に取り組んでいる企業は、その企業のみでなくこういったほかの団体とも話し合い、協力することによっていち早くカーボンニュートラルを達成することを目指しています。

GXリーグの「循環構造」とは

GXリーグの「循環構造」については、2021年12月から経済産業省が公表している「”GXリーグ”の基本構想案について」において、次のように記されています。

企業の意識・行動変容と生活者の意識・行動変容の循環を通じて、企業の成長・生活者の幸福・地球環境への貢献が同時に実現されること。

”GXリーグ”の基本構想案について (meti.go.jp)

企業や人々の意識や生活が、環境を意識したものに変化することによって、結果的に社会や地球全体へ良い影響が与えられる社会の理想の構造を指しています。

グリーントランスフォーメーション(GX)の取り組み事例5選

本章では、グリーントランスフォーメーション(GX)の具体的な取り組みを紹介していきます。

Apple

Appleでは、2030年までにサプライチェーン全体でのカーボンニュートラルの達成を宣言しています。すでに自社の生産においてはカーボンニュートラルを達成しており、世界でもトップレベルのサステナブルな企業です。具体的な取り組みとして、低炭素な製品デザインやエネルギー効率の拡大、そして再生可能エネルギーの活用などをおこなっています。

詳しくはこちらを参照してください。

>>Apple、2030年までにサプライチェーンの 100%カーボンニュートラル達成を約束 (apple.com)

Honda

 Hondaは、2021年4月に「先進国全体でのEV、FCVの販売比率を2030年に40%、2035年には80%、また2040年にはグローバルで100%」と、目標の具体的な数値を提示しました。また、2050年までにHondaに関わるすべての製品と企業活動においてカーボンニュートラルを達成することを宣言しています。

詳しくはこちらを参照してください。

>>Honda | 社長就任会見 代表取締役社長 三部 敏宏スピーチ概要 (honda.co.jp)

東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険は、国内洋上風力発電産業の普及や、水素活用の促進、またCCS・CCUSに関する研究や開発に力を入れています。

詳しくはこちらを参照してください。

>>「グリーン・トランスフォーメーション(GX) タスクフォース」の設置について (tokiomarine-nichido.co.jp)

※CCS・CCUSとは

「CCS」とは、排出されたCO2を回収し貯蓄する技術であり、「CCUS」とは貯蓄したCO2を活用する技術のことを指します。

オムロン ソーシアルソリューションズ

オムロン ソーシアルソリューションズは「SF2030」という長期ビジョンを設定し、積極的に環境経営に取り組んでいます。具体的には、脱炭素に向けた製品やサービスの提供、製品寿命の延長、そして持続可能性に配慮した責任ある調達などをおこなっています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>オムロン環境方針 – サステナビリティ (sustainability.omron.com)

NTT

NTTは、2040年までにグループ全体でのカーボンニュートラルを達成するため「NTT Green Innovation toward 2040」を打ち出し、環境経営をおこなっています。具体的には、グリーン電力の推進やICT技術などによる社会の環境負荷軽減、そして圧倒的な低消費電力の実現に取り組んでいます。

詳しくはこちらを参照してください。

>>NTT グループ グリーンボンド フレームワーク 2021 年 9 月 (ntt-finance.co.jp)

※ICTとは

「ICT」とはInformation and Communication Technologyの頭文字を取った略語であり、情報通信技術のことを指します。情報技術そのもの(IT)ではなく、“情報技術を活用したコミュニケーション”をさす場合が多いです。

まとめ|グリーントランスフォーメーション(GX)に取り組む

カーボンニュートラルを達成する上で必要不可欠と言われているグリーントランスフォーメーション(GX)は、近年飛躍的に認知度が上がっており、多くの企業が取り組むようになりました。地球温暖化の進行に歯止めをかけるためにも、そして国内企業の環境経営を活性化させるためにも、グリーントランスフォーメーション(GX)の導入を考えてみてはいかがでしょうか。

またこのwebメディアを運営している、株式会社ECOLOGICAでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。ECOLOGICAは、世界最大級の太陽光専門商社PROINSOグループの日本総代理店です。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。

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