国際連合環境計画(UNEP)とは?主な活動内容と現在の取り組みをわかりやすく紹介

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国際連合環境計画(UNEP)とは、環境問題に対する各国の活動を支援する機関です。通称、国連環境計画とも言います。MDGsやSDGsの流れによって、世界的に環境配慮への意識が高まってきています。本記事では幅広い分野で環境問題の取り組みを支える国際連合環境計画(UNEP)に焦点をあて、UNEP機関として「国際環境技術センター(IETC)」とは何か、「UNEPサステナビリティアクション」キャンペーンとは何かを紹介します。

目次

国際連合環境計画(UNEP)とは

事務局本部をケニアのナイロビに置く、国際連合環境計画(UNEP)は、各国による環境問題に対する活動を援助しています。UNEPは、United Nations Environment Programmeの略です。この章では、国際連合環境計画の設立経緯と主な活動内容について説明します。

UNEPの設立経緯|国連人間環境会議とは

1972年6月、スウェーデンの首都であるストックホルムにて、国連人間環境会議が開催されました。この会議は、「かけがえのない地球」というスローガンを掲げていました。この会議で採択されたのが、「人間環境宣言」と「環境国際行動計画」です。これらを達成するために、UNEPは設立されました。UNEPの活動に必要な資金は、1973年1月1日から設置された、各国からの任意拠出で成り立っている環境基金から捻出され、日本もこの基金に対して100万ドルを拠出しています。国連総会において選ばれる管理理事会にも、日本は理事国として選出されています。

本部はナイロビですが、UNEPは他にもいくつかの地域事務所を持っています。

・タイ・バンコク:アジア太平洋
・バーレーン・マナマ:西アジア
・パナマ・パナマ:ラテンアメリカ、カリブ
・スイス・ジュネーブ:ヨーロッパ
・ケニア・ナイロビ:アフリカ
・アメリカ合衆国・ワシントンD.C.:北米

UNEPの主な活動内容

UNEPは、幅広い分野で活動していますが、主に7つのサブプログラムをおこなっています。

・気候変動
・災害・紛争
・生態系管理
・環境ガバナンス
・化学物質・廃棄物
・資源効率性
・環境レビュー

また、UNEP独自の活動と、他の機関との協力のもとおこなわれる活動があります。前者の例としては、現在の地球環境に関する調査や、条約締結に向けた準備などが挙げられます。後者は、温暖化による海水温上昇の影響を受け、白化が問題になっている珊瑚礁を保全したり、環境問題について学べるワークショップを開いたり、深刻な問題を抱える地域に対して環境監視システムを導入したり、その他さまざまな活動があります。

国際環境技術センター(IETC)とは

IETCとは、International Environmental Technology Centreの略です。1992年、大阪府大阪市に設立されました。

UNEPの活動は多岐に渡りますが、そのうち化学物質や廃棄物、大気環境分野にて、IETCは大きく貢献しています。ここでは、このIETCの設立経緯や活動内容について説明していきます。

IETC設立の経緯

1990年に開催された、ヒューストン・サミットにて、当時内閣総理大臣であった海部俊樹氏が、IETCの日本誘致を表明しました。これが、1991年5月に開催された、第16回国連環境計画(UNEP)管理理事会において採択されました。発展途上国に対し、海洋プラスチックごみの問題を始めとする、廃棄物管理分野において、ESTの導入を促すことを目的としています。ESTは、Environmentally Sound Technologiesの略で、地球にやさしい、持続可能な技術のことを指します。

IETCの主な活動内容

幅広い分野の機関と協力し、廃棄物によって環境問題が引き起こされないために必要な技術を提供しています。他にも、研究者が研究成果を世間に発表する場や、専門家同士の話し合いの場を作るなどの活動もしています。

最近の活動をいくつか紹介します。2019年には「小島嶼開発途上国(SIDS)廃棄物管理概況」を発表しました。これは、現在9か国で廃棄物の管理についての基準として採用されています。他にも、さまざまな企業や団体が、これを参考にして廃棄物管理に対するリスク評価や管理手法を考えています。

同年、22か国もの国で、廃棄物管理についての戦略決定のサポートをおこないました。また、これまでに149か国の国で、持続可能な技術を導入する支援をおこなっています。

Covid-19の影響を受け、2020年8月には、IGES-UNEP環境技術連携センター(CCET)とともに、「コロナ禍における廃棄物管理の現状と今後の展望に関する報告書」を完成させています。CCETは、IETCをサポートするために設立されました。

そして、2020年6月からはUNEPサステナビリティアクションを始めました。こちらの活動については、次で詳しく説明します。

UNEPサステナビリティアクションとは

2020年6月から始まったUNEPサステナビリティアクションは、国連や政府、企業などさまざまな機関や、私たち市民を対象にした取り組みです。サステナビリティアクションとは、持続可能な活動という意味です。資源の再利用を当たり前にし、サステナビリティアクションが増えていくことを目的としています。先述のIETCが管轄でおこなっている取り組みですが、UNEPが母体です。

持続可能な開発目標(SDGs)達成と、達成後もさらに持続可能な社会を作っていくために、以下の3つの活動を一体化させていこうとしています。

グローバルダイアログ

参加・関連組織のトップによる対談や交流会、ブランディングなどをおこない、サステナビリティの世界観や未来について話し合います。

キャンペーン活動

参加・関連組織の得意分野やネットワークを利用し、消費者向けにキャンペーンを開催することで、市民にも持続可能な社会作りに協力してもらいます。

プロジェクト活動

UNEPによる発展途上国支援プロジェクトと合同で活動し、発展途上国の環境問題や、社会問題を解決しています。

また、メンバーやオブザーバーとして以下の機関と企業が参加しています。

・環境省 
・農林水産省
・株式会社ファーストリテイリング
・株式会社セブン&アイ・ホールディングス
・EARTH MALL with Rakuten
・(公財)地球環境センター

例えば、セブン&アイ・ホールディングスでは、持続可能な取り組みや商品を提案することで、社会に貢献します。他にも、全国のペットボトルの約1%を回収したり、マイバックの活用を推進することによって、レジ袋をもらわない人を74%まで上昇させたりしています。日本人の1年間の1人あたりレジ袋使用量は、約150枚と言われ、日本全体では1年間で約9.4万トンの資源が使われています。また、地球温暖化の原因となる二酸化炭素も約294万トン排出されます。それをふまえると、この結果は地球温暖化防止に大きく貢献していると言えます。

EARTH MALL with Rakutenは、環境にやさしい買い物ができるオンラインショッピングです。2019年には、楽天株式会社の消費電力の51.4%を再生可能エネルギー由来にすることに成功しています。

その他の企業も、それぞれの得意分野を生かし、持続可能な社会づくりに貢献しています。

国際連合環境計画(UNEP)はグローバルな環境保全の先導者

国連人間環境会議をきっかけに、設立された国際連合環境計画(UNEP)は、持続可能な社会を実現するため、さまざまな活動を他の機関と協力しておこなっています。UNEPの活動の中でも、特に廃棄物管理を中心に請け負う国際環境技術センターは現在、UNEPサステナビリティアクションに取り組んでいます。

UNEPは、個人や企業が協力して脱炭素社会の実現や再生可能エネルギーを利用し、持続可能な環境を実現することを目的としています。その目標を実現するために、個人でできる範囲の社会貢献をおこなったり、CSVを果たすため、各企業が得意分野を生かした活動を行うことが重要です。

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