太陽光発電の設置費用はどれくらい?運用費と安く抑える方法を紹介

bannar

太陽光発電の設置費用は、パネルや必要な機器を合わせてどのくらいになるのでしょうか。検討される方の中には、高額だと身構える方もいらっしゃるかもしれませんが、助成金やプランを工夫することで費用を大きく抑えることも可能です。本記事では太陽光発電の設置費用と保守・運用費を紹介し、安く抑える方法を説明します。

目次

太陽光発電の設置費用はどれくらい?

太陽光発電の設置費用は、屋根面積(≒システム容量)×1kWあたりの設置費用で計算できます。住宅用なら1kW当たり28.6 万円、事業用なら1kW当たり25.3万円です。

住宅に設置する場合、平均的な積載量は4.4~4.5kWであるため、2020年度は約120万円が相場となっています。

表1 太陽光発電導入費用の推移 067_01_00.pdf (meti.go.jp)より引用

ただし、表1のように、年々太陽光発電導入にかかるコストは低下しています。これは、製品素材や開発などの技術の発達や太陽光発電の普及により安価な設置が可能となっているためです。なお、グラフ内で上位25%、下位25%の記載がある通り、事業者やプランによって価格の幅は非常に大きいです。価格を抑える方法については後ほど詳しくご説明しますが、専門の業者への相談は必須であると言えるでしょう。

太陽光発電の保守・運用にかかる費用

太陽光発電の設置後は、発電量の維持や安全性の確保のために定期点検が必要です。一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)が定める「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」によると、メンテナンスや定期点検は4年に1回以上で、1回当たりの点検費用は約2万円となります。また、パワーコンディショナーの取替えを20年に一度程度行うケースが多いです。こちらの費用は約20万円です。

ただし、業者によっては定期点検を無料で行っている所もあるので、目安として捉えてください。

太陽光発電を設置するのに必要な機器

太陽光発電を設置するためにはソーラーパネルの他にもさまざまな機器が必要です。本項では、太陽光発電を行うために用意しなければならない機器をまとめています。

太陽光発電を設置するのに必要な機器

太陽電池モジュール(太陽光発電パネル)

太陽電池モジュールとは、太陽電池を複数並べガラスや樹脂などで繋げたものです。太陽光発電には太陽電池を用いますが、その一つ一つは大きくなく発電量は十分ではありません。そのため、たくさんの太陽電池を1つのパネルにして発電量を確保するのです。

太陽電池モジュールは、太陽光パネルや太陽電池パネルと呼ばれることもあります。一般的にはこちらの呼称を用いることが多いでしょう。

架台

架台とは、太陽電池モジュールが効率良く太陽光を受けるために、角度や高さを調整する装置です。素材にはアルミやスチールが用いられることが多く、また設置方法には屋根に穴を開けるタイプと開けないタイプがあります。

積雪量の多い地域では、高さのある架台を設置することもあります。

接続箱

接続箱とは、太陽電池モジュール毎に発電した電気をまとめてパワーコンディショナー(受け取った電力を交流電流に変換し各部屋や蓄電池に供給する機器:下記参考)に送る装置です。産業用のメガソーラーの場合は、電気を複数の接続箱でまとめそれをさらに1つの接続箱にまとめることもあります。このような複数の接続箱をまとめる接続箱は、「集中箱」や「集電箱」と呼ばれます。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーは、受け取った電力を交流電流に変換し各部屋や蓄電池に供給する機器です。太陽電池モジュールで発電した電気は直流で、そのままでは照明や電化製品に使用することができません。そのため、パワーコンディショナーで直流電流を交流電流に変換する必要があるのです。

電力量計(売電メーター)

太陽光発電を行う際、事業や生活のために用いる分を超えた電力は売却することができます。その際に必要となるのが電力量計(売電メーター)です。太陽電池による発電量から家庭や事業で使用した電力量を差し引いた、余剰電力量を計算することができます。反対に雨天などで発電量が足りない場合は、買い取らなければならない電力量を算出します。

ただし、この売電メーターではトータルの発電量を正しく把握することができません。発電量を正確に計算しグリーン電力証書を発行したい場合は、総発電電力計を設置するのが良いでしょう。

グリーン電力証書とは、使用する電力が再生可能エネルギー由来であることを証明する証書です。このような証書によって、自社が環境問題に取り組んでいることを顧客や投資家にアピールできます。詳しくは下記の記事をご参照ください。

太陽光発電の設置時に考慮すべきオプション

最低限上記の機器があれば太陽光発電は可能ですが、これからご紹介するオプションも有効です。ご検討ください。

発電量モニター

発電量モニターは、太陽光発電による発電量や、家庭内の消費電力、電力会社への売電電力を表示してくれます。

基本的にオプション品ですが、太陽光発電の故障や異常の発見は目で見てもわからないため、故障や実発電量の確認のために設置する例が多くなっています。

蓄電池

太陽光発電だけでは発電した電気を貯めておくことができません。夜間や雨天時、停電時などに電気を使えるようにするには、蓄電池を用います。メーカーによっては取り扱いの無い所もあるため、注意が必要です。

保険

太陽光発電には、基本的にメーカーの製品保証が付いています。しかし、保証期間を延長する場合や自然災害保険に加入する場合は、設置時に追加で費用がかかります。

メーカー保証を延長する場合は、太陽光発電パネルの出力保証やパワーコンディショナーの製品保証、太陽光発電全体のシステム保証などがあります。また、自然災害による損傷は一般的にメーカー保証の対象外のため、別途自然災害保険に加入することが一般的です。

自然災害保険は、メーカーからオプションで提供されていることがほとんどで、太陽光発電の規模に応じて費用が変わります。

太陽光発電の設置費用を安くする方法

太陽光発電の設置費用は高額ですが、補助金や業者の選択などによって費用を抑えることもできます。事業用で探している方も家庭用で探している方も、さまざまな制度やプランを知り賢く太陽光発電を導入しましょう。

太陽光発電の設置業者を厳選する

太陽光発電の設置は、業者によってその費用が大きく変わります。必ず複数の業者で見積り、プランやオプションを吟味しましょう。

またこのwebメディアを運営している、株式会社ECOLOGICAでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。ECOLOGICAは、世界最大級の太陽光専門商社PROINSOグループの日本総代理店です。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。

>>お問い合わせ

自治体からの補助金を利用する

太陽光発電は、環境問題の緩和に繋がる事業です。そのため、自治体の補助金制度も多くあります。ただし、補助金が下りる条件は毎年変動し、申し込みは先着順であることも多いため、良く調べ早めに申し込むよう注意が必要です。

以下、代表的な事例を2つご紹介します。

東京ゼロエミ住宅導入促進事業

「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」は、東京都内で、断熱材や省エネ家電の設置などの一定基準を満たす「東京ゼロエミ住宅」に認定された新築住宅に支給される助成金制度です。

助成金額は、戸建住宅なら50万円、集合住宅なら20万円、太陽光発電を設置する場合は1kW当たり10万円となります。

詳しくは東京都の公式ホームページをご確認ください。

>>クール・ネット東京 :東京都地球温暖化防止活動推進センター|「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」 (tokyo-co2down.jp)

家庭向け太陽光発電・蓄電設備補助金

京都府の「家庭向け太陽光発電・蓄電設備補助金」は、太陽光発電と蓄電池を同時に設置した場合に府から最大13万円の助成金が支給される制度です。助成金の額や条件は各市町村毎に異なります。

詳しくは京都府の公式ホームページをご確認ください。

>>家庭向け太陽光発電・蓄電設備補助金(令和3年度)/京都府ホームページ (pref.kyoto.jp)

ソーラーローンを利用する

ソーラーローンは、太陽光発電を導入する際に選択できる支払いプランです。銀行や信販会社で申し込むことができ、安い利息で長期間の融資を受けられます。こちらも、会社によって利息等の条件が異なるため慎重な吟味が必要です。

PPAモデル(第三者所有モデル)を利用する

PPAモデル(第三者所有モデル)は、事業者が住宅や敷地に太陽光発電を設置し、得られた電力を敷地の所有者に安価で販売する仕組みです。この仕組みのメリットは、設備の所有者が事業者になるため、太陽光発電の設置費用や維持費用がかからない点です。

PPAプランの利用を考えている方は、こちらのURLからお問い合わせください。

>>Corporate PPA – ECOLOGICA

まとめ|太陽光発電の設置費用はおよそ130万円

太陽光発電の設置費用は、必要な機器などを合わせて約130万円です。ただし、助成金やPPAモデルの活用、事業者の吟味によって、大幅に抑える、または無料で設置することも可能です。これらの制度を賢く利用し、再生可能エネルギーの普及を促進していきましょう。

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