ESG投資とは?企業目線で見る注目の背景と投資を受ける種類・取り組み

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「ESG投資とはEnvironment(環境)、Social(社会)、Governance(企業統治・ガバナンス)の頭文字であり、これら3つに配慮している企業に、優先的に投資を行う投資手法のことを指します。ESG投資はほかに「社会的責任投資」や「インパクト投資」、「持続可能な投資」と呼ばれることもあります。

目次

ESG投資が注目されている理由

今までは企業の業績や財務状況などを参考にする投資手法が一般的でした。しかしそれらでは企業の持続性や発展の見込みを判断するには足りないとされ、近年ESG投資を重要視する企業や投資家が急増しています。

世界的にESG投資が加速中

ESG投資は日本だけでなく、世界中の企業がESG投資への取り組みを行っています。ESG投資を普及するための機関である世界持続可能投資連合(GSIA:Global Sustainable Investment Alliance)によると、2017年末の世界におけるESG投資残高は約3200兆円(30.7兆ドル)で、2年前と比べると34%増加しています。2020年には約3880兆円(35兆3千ドル)となっています。数字でも表されている通り、世界中がESG投資に重きをおいています。

ESG投資に選ばれる企業になるためには、環境への取り組みが必要不可欠となります。

このwebメディアを運営している、株式会社ECOLOGICAでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。ECOLOGICAは、世界最大級の太陽光専門商社PROINSOグループの日本総代理店です。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。

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※ネットゼロ(カーボンニュートラル)とは

企業や家庭から排出される温室効果ガスに対し、削減努力+削減活動(開発途上国での植林・森林保全・再エネなどの各プロジェクト)から発行されるカーボンクレジットに投資購入・カーボンオフセットすることによって、実質的に排出量をゼロにするということです。

国際的・国内的な脱炭素社会への取り組み

2020年10月26日に菅総理が「2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにする」というパリ協定の長期目標達成を表明したことから、日本は本格的に脱炭素社会へ歩み始めたことがわかります。

※パリ協定とは

2015年に採択された地球温暖化に対する国際的な取り決めです。197カ国が加盟しており(2021年2月現在)、先進国・途上国関係なく加盟国全てに、温室効果ガス排出量の削減を強く求めています。

パリ協定を踏まえ、日本だけでなく120カ国以上の国や地域が2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることを目標に掲げています。

ESG投資を受ける7つの方法

ESG投資の統計を行っている世界持続可能投資連合(GSIA:Global Sustainable Investment Alliance)は、ESG投資を7つの手法に分類しています。

ESG投資の7つの手法

ネガティブ・スクリーニング(Negative/exclusionary screening)

「ネガティブ・スクリーニング」とはESG投資の中でも最も古くから使われてきた手法であり、「倫理的でないもの」や「環境破壊につながるもの」など、特定の業界を投資対象から外すことです。具体的には武器・たばこ・アルコール・ギャンブル・原子力発電・化石燃料・動物実験などの業界です。これは1920年代にアメリカで始まりました。

ポジティブ・スクリーニング(Positive/best screening)

「ポジティブ・スクリーニング」とは、ESG関連の評価が総合的に高い企業に投資するという手法です。環境・社会・企業統治の3点のテーマごとに基準が設定されており、その結果に沿って投資を決めます。これは1900年代にヨーロッパで始まりました。

国際規範に基づくスクリーニング(Norms-besed screening)

「国際規範に基づくスクリーニング」とは、経済協力開発機構(OECD)や国際労働機関(ILO)が定める、ESG関連の国際規範をもとに投資先を決める手法です。国際規範にはさまざまな種類の規範があり、投資家たちはどの規範をもとに投資先を決めるのか、判断することが可能です。

ESGインテグレーション型(ESG integration)

ESGインテグレーション型」とは、企業の財務情報に加えて、ESG(環境・社会・企業統治)の非財務情報も、投資する上での判断基準とする投資手法です。現代ではネガティブ・スクリーニングに次いで広く活用されている手法ですが、どの項目を重要視するのかは投資家によって違うため、実際はさまざまな形で投資が決定しています。

サステナビリティ・テーマ投資型(Sustainability-themed investing)

「サステナビリティ・テーマ投資型」とは、持続可能な事業やプロジェクトを行っている企業に対して投資する手法です。エコファンドや水ファンド、太陽光発電事業への投資ファンドなどがサスティナビリティ・テーマ投資の具体的な例です。

本サイトを運営している株式会社ECOLOGICAは、主な事業の1つとして太陽光発電の普及に取り組んでおり、日本だけでなく110カ国以上の国の企業に対し、太陽光発電設備導入への開発支援をおこなっています。太陽光発電以外にも、組織の事業活動から排出される温室効果ガスに対する削減ソリューションをご提供しております。

興味のある方は、以下のリンクからご連絡ください。

>>お問い合わせ (ecologica.co.jp)

インパクト・コミュニティ投資型(Impact/community investing)

「インパクト・コミュニティ投資型」とは、社会的インパクトと環境的インパクトの2つを重視した投資手法です。インパクトのみに焦点を当てている投資家と、それに合わせて財務情報も重視している投資家の2つのパターンに分けられます。

エンゲージメント/議決権行使型(Corporate engagement and shareholder action)

「エンゲージメント/議決権行使型」とは、株主は投資を行うだけでなく、企業のESGへの取り組みについて積極的に働きかける投資手法です。これはほかの6つと違い、投資家は権力を駆使して企業の内部から持続可能な企業へと発展させていきます。敬遠された時代もありましたが、現代では投資家の重要な役割の1つとして捉えられ始めています。

ESGを重視する企業ランキング2021(投資に最適)

本章では、CSR企業白書2021年版の「ESG企業ランキング」より、トップ3の企業を紹介します。このランキングは東洋経済新報社が2016年から毎年更新しており、ESG投資が浸透してきた近年でより注目が集まっています。「ESGランキング」とは名前の通りESGに関するランキングであり、ESGにもっとも積極的に取り組んでいる企業が上位に入っています。上位にランクインすることは、投資家や取引先からのイメージアップにつながります。

ESGを重視する企業ランキング2021

1位:SOMPOホールディングス

「SOMPOホールディングス」は2020年・2021年と、連続してESGランキングのトップに輝いています。人権や地域社会、また気候変動も事業として取り組んでおり、持続可能な社会の実現に向けて積極的に動いています。特に力を入れているのが環境問題であり、SDGsへの取り組みや環境負荷削減活動が大きく評価され、1位になりました。SOMPOホールディングス全体で2017年と比べ、温室効果ガス排出を2030年までにマイナス21%、2050年までにはマイナス51%を目指しています。

2位:オムロン

「オムロン」は2020年では3位だったものの、2021年には2位に順位を上げました。オムロンは世界のESG指標においても連続してランクインするため、国内だけでなく世界的なESG企業として力をつけています。「オムロンコーポレートガバナンスポリシー」を策定し、公平性や経営の透明性を追求しているため、特にESGのG(Governance:ガバナンス、企業統治)に関する評価が高いです。

3位:j.フロント リテイリング

「j.フロント リテイリング」は7つのマテリアリティを示し、各項目に中長期目標を設定しています。j.フロント リテイリングのマテリアリティは、次の7つです。

※マテリアリティとは、組織・企業にとっての重要課題を示したもの

  • 脱炭素社会の実現
  • お客様の健康・安全・安心なくらしの実現
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進
  • ワーク・ライフ・インテグレーションの実現
  • 地域社会との共生
  • サプライチェーン全体のマネジメント
  • サーキュラーエコノミーの推進

より詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>7つのマテリアリティ (j-front-retailing.com)

そのほかにも、j.フロント リフティングはイニシアチブへ積極的に参加しています。そのイニシアチブの代表的なものがRE100です。

まとめ|ESG投資される企業になるには

ESG投資は近年急速に広まっており、企業がこれからの社会を生き抜くためには、ESG投資は切っても切れないものとなるでしょう。電力の無駄使いはしない、自動車ではなく電車やバスを使う、といった小さな事から始めていきましょう。そしてその取組の規模を拡大し、再生可能エネルギーの使用や植林活動など、ESGに貢献する企業を目指しましょう。

問い合わせはこちらからお願いします。

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