RE100とは?メリットや参加条件、日本企業の取り組みを紹介

RE100とは?メリットや参加条件、日本企業の取り組みを紹介
SDGsを意識する企業にとって近年、よく耳にする「RE100」。再生可能エネルギー100%を目指す国際的なイニシアチブですが、詳細まで知っている方は少ないと思います。この記事ではRE100の概要からメリット、参加方法、日本の加入企業まで詳しく解説します。

目次

RE100とは

「RE100」とは「Renewable Energy 100%」の略で、2050年までに事業運営を100%再生可能エネルギーで賄うことを目標としている国際的なイニシアチブです。The Climate Group(※1)がCDP(※2)の支援を受けて運営しています。加盟企業は年に一度、再生可能エネルギー100%の目標に向けた具体的な活動報告書を事務局に提出する必要があります。

※1 The Climate Groupは、2003年に設立された国際非営利組織(NGO)です。2050年までにネットゼロカーボンを実現させるために、運営されています。

※2 CDPは、英国の慈善団体が管理する非政府組織(NGO)です。投資家、企業、国家、地域、都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営しています。

RE100に加入している企業のメリット

RE100に参加している企業には、どのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは、参加企業のメリットについて紹介します。

化石燃料の高騰のリスク回避

RE100に加盟する1つ目のメリットは、再生可能エネルギーへのシフトを検討することによって、将来の化石燃料価格高騰のリスクを回避できることです。

RE100の加盟企業は再生可能エネルギー100%での会社運営が求められるので、RE100は加盟企業の再生可能エネルギーの調達方法を検討するきっかけを与えます。

したがって、企業は再生可能エネルギーの調達方法を確立できるので、将来予想される、化石燃料の高騰によるエネルギー確保の問題を回避できます。

投資家の評価UP

RE100に加盟する2つ目の大きなメリットは「ESG投資」を行う投資家からの高い評価が得られることです。

「ESG投資」とは環境、社会、企業統合を重視している企業に対して優先的に投資を行う投資手法です。
ESG投資は欧米を中心に広く浸透しており、2018年時点で世界の投資額の36%を占めています。
日本のESG投資の市場規模は231億円で、2016年の56億円から306%伸びており急速にESG投資市場は拡大していることがうかがえます。

このように、ますますESG投資が重要視されるビジネス市場においてRE100に加盟していることは大きなアピールになります。

ESG投資について詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>ESG投資とは?企業目線で見る注目の背景と投資を受ける種類・取り組み (netzeronow.jp)

RE100の参加条件

ここまでRE100の内容やRE100の加入メリットについて紹介してきましたが、REに加盟するには、実際どのような条件があるのでしょうか。

ここではCDPが参加条件として公開している基準(英語)の日本語訳と解説をしていきます。

RE100の参加条件

基準1:影響力がある企業である

下記1のすべてに当てはまる必要があります。

1-1. 世界的に(もしくは国内で)認知されており、信頼されているブランドである
1-2. 主要な多国籍企業である(フォーチュン1000に掲載されている企業、もしくは同規模の企業)
1-3. 100 GWhより消費エネルギーが大きい(※日本企業の基準は50GWhに緩和されています)
1-4. その他、RE100の目標達成に利益をもたらす、明確で世界的な(もしくは地域的な)影響力がある

基準2:「すべての企業活動」において再生可能エネルギー(以下、再エネ)の100%利用を達成することに対して、公約する意志があること

下記のいずれかにあてはまる必要があります。

2-1. すでに再エネの100%利用を達成
2-2. 未達成であるが、100%利用達成のための実施スケジュールを伴う明確な戦略を所持
2-3. 上記にあてはまらないが、RE100参加から1年以内に、100%利用達成のための明確なロードマップを策定することを公約

基準3:基準2の「すべての企業活動」の定義

基準2の「すべての企業活動」の対象範囲は下記のとおりです。

GHGプロトコルに則っています。

3-1. 企業活動に関連するすべてのscope 2による排出
3-2. 企業による発電に関連するscope1による排出(輸送のための化石燃料使用、発熱、電力生産を伴わないその他の用途を除く)
3-3. 50%以上の資本関係があるグループ企業のすべての企業活動
3-4. 50%以下の資本関係がある企業(フランチャイズおよび分所有権を有する企業)は、ケース別の判断となる

基準4:グループ企業内の例外

企業はグループ単位で参加する必要がありますが、子会社の内、下記の両方を満たす場合は例外として認められます。

4-1. 親会社とは明確に異なるブランドである
4-2. 年間の電力使用量が、1TWhを越えている

基準5: 期限を設けた達成のための戦略

再エネの100%利用達成に向けて、達成しなければならない最低限の期限として下記の通り示されており、RE100に提出する目標は下記を満たす必要があります。

消費エネルギーのうち再生可能エネルギーの占める割合が2050年までに100%、2040年までに90%、2030年までに60%、2020年までに30%であること

基準6:年次報告

企業は、再エネの戦略や進捗について毎年報告する必要があります。

基準7・技術基準の確認

RE100の目標を達成したと宣言するRE100に加入している企業はRE100の技術基準にそって行われたか、企業とCDPの双方が確認する必要があります。

基準8:禁止行為

RE100に参加する企業はRE100の目的や信頼性を直接的、あるいは間接的に落とすようなことはしていけません。

  • 再生可能エネルギー生産に関して化石燃料を大量消費する
  • 人権・公民権の侵害
  • 犯罪行為

基準9:強制除名

RE100の加入企業の審査は包括的に行いますが、加入後に信頼性を損なうような行為が発覚した場合強制除名またはランクの引き下げを行うことがあります。

基準10:退会

RE100の法人としての条件を満たさなくなった場合退会を求められます。

基準11:諮問委員会の役割

企業がRE100の会員になる、あるいは留まるのに対して疑問がある場合、判断は諮問委員会が行います。
諮問委員会がキャンペーンからの脱退を勧告した場合、会社は主張する機会を与えられます。

RE100 再生可能エネルギーの調達方法

再生可能エネルギーの調達には自家発電と購入電気の2種類、6通りの方法があります。複数の方法を組み合わせての調達も認められています。

ここでは、その調達方法について詳しく説明します。

再生可能エネルギーの調達方法

自家発電

 1.自社が保有する再エネ発電施設による電力調達
⇒例)工場での自家消費用PV

購入電力

  1. 企業の敷地内に設置した他社が保有する再エネ設備からの電力購入
    ⇒例)オンサイト電力を委託しその電力を購入
  1. 企業の敷地外に設置した再エネ発電施設から専用線を経由して直接購入
    ⇒例)工場などの地域分散電源からの調達
  1. 企業の敷地外に設置した再エネ発電設備から系統を経由して直接配達
    ⇒例)発電者とグリッド経由直契約
  1. 小売電気事業者とのグリーン電力商品契約による調達
    ⇒例)小売電気事業者の電力メニューから購入
  1. 電気から切り離された電源構成証書の購入(※購入することで再エネを利用したとみなされる電力と切り離された証書。)
    ⇒例)Jクレジットの購入、グリーン電力証書の購入

RE100の申請方法

RE100参加申込書と上記の基準に関する自社の英文の資料を、RE100事務局あてにメールで提出します。参加申込書のフォーマットは、RE100事務局に連絡すれば入手することができ、基本的な会社情報や再エネ100%達成目標年、目標の目安などの情報を記載します。

RE100の申請は下記のサイトからできます。
>> RE100のwebサイト

RE100 日本参加企業と事業例

RE100に参加している企業は、どのような取り組みをしているのでしょうか。
ここでは、RE100に参加する日本企業の事業例をご紹介します。

リコーグループの事業例

リコーグループは、2017年日本企業として初のRE100に参加しました。

太陽光発電設備の設置や省エネ電力契約に切り替えることによって、RE100の目標を達成を目指しています。
現時点で、欧州の販売会社10社が使用する電力の100%再エネ化に成功しています。

※リコーグループ 企業ホームページ「リコー、RE100目標達成に向けて生産拠点における再生可能エネルギー由来電力の活用拡大」https://jp.ricoh.com/release/2019/1118_1/ から引用

城南信用金庫の事業例

城南信用金庫は、国内金融機関初のRE100加盟企業です。

電力会社からの供給される全電力の約98%を占める本支店等の所有物件の電力を全て再生可能エネルギー(バイオマス発電)に切り換えるとともに、残り約2%の賃貸物件等の電力についても、国が運営する「J-クレジット」を購入し、CO2をオフセットすることで、実質100%再生可能エネルギーによる事業活動を行っています。

※城南信用金庫 企業ホームページ「国内金融機関では日本初となる『RE100』に加盟」https://www.jsbank.co.jp/about/efforts/re100.html から引用

RE100 今後の展開

RE100には現在(2021年6月)300を超える企業が参加しており、そのうち50社が日本企業です。世界的なSDGsの流れから企業のESGの取り組みはますます注目されるようになり、RE100参加企業は今後増加すると予想されます。これを機に加入を検討してはいかがでしょうか。

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