低炭素社会とは|地球温暖化防止のための取り組み

bannar

我々の社会が長期的に持続可能であるために、向き合わねばならない深刻な問題の1つが地球温暖化です。その対策として、二酸化炭素 (CO2)やメタンなどの温室効果ガスの排出の抑制、植樹や栽培による吸収源としての緑化などの取り組みが、国家や企業そして個人により世界中で行われています。ここでは、温暖化防止・抑制を実現するための目標として国が提示した、「低炭素社会」についての解説をします。

目次

「低炭素社会」とは

「低炭素社会」は二酸化炭素の排出量が少ない社会のことを指します。世界中が地球温暖化に歯止めをかけるべく取り組みを行っている現代において、「低炭素社会」は取り組みの合言葉として共通認識を持たれ始めています。日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出量をゼロにするという目標を掲げ、それに向けて国全体が動き始めました。「低炭素社会」とは、政府が目指している「理想の社会」とも言えるでしょう。

「脱炭素社会」との違い

「低炭素社会」と似ている言葉で「脱炭素社会」という言葉もあります。この2つの違いはそれぞれの取り組みの目的にあります。「低炭素社会」の目的は「二酸化炭素排出量を削減する」ことであり、「脱炭素社会」の目的は「二酸化炭素排出量をゼロにする」ことです。

数年前までは世界的に低炭素社会を目指していましたが、低炭素社会では2015年12月のパリ協定で決定された「世界平均気温を1.5~2℃に抑える」という目標を達成できないと判断され、新しく「脱炭素社会」が目標に掲げられました。

地球温暖化に関する動向

加速する地球温暖化に歯止めをかけるべく、それぞれの国が対策を講じています。ここでは、世界各国の取り組みと日本の取り組みに分けて説明します。

世界各国の地球温暖化対策

世界各国の取り組み

1997年に京都で開催された国連気候変動枠組条約第3回締約国会議(COP3:Conference of Parties)で採択された「温室効果ガスを2008年から2012年の4年間で1990年より約5%削減する」という国際条約をきっかけに、各国で「低炭素社会」に向けた取り組みが行われています。

イタリア

2003年のイタリア白書において「低炭素経済(Low-Carbon Economy)」という言葉が生まれました。また2008年11月には気候変動法が成立し、2050年までの長期的な目標として、温室効果ガスの排出量を80%削減すること、また、世界平均気温の上昇を2℃以下に抑えること、という共通認識を確認しました。

中国

途上国に対する削減目標義務化には賛成していないものの、第12次5ヵ年計画(12-5計画)において低炭素社会作りに協力の意を示しています。

韓国

Low-CarbonやGreen Growthを掲げ、環境に寄り添った国家作りに取り組んでいます。

日本の取り組み

日本では、2050年までに温室効果ガスの排出量を70%削減した「低炭素社会」を目指すべく、さまざまな取り組みが行われています。その1つが「脱温暖化2050研究プロジェクト」と呼ばれる取り組みです。

脱温暖化2050研究プロジェクト 

「脱温暖化2050研究プロジェクト」とは「脱温暖化社会に向けた中長期的政策オプションの多面的かつ総合的な評価・予測・立案手法の確立に関する総合研究プロジェクト」の略称であり、環境省が提案した地球環境研究総合推進費戦略的研究開発プロジェクトとして2004年に始まりました。
このプロジェクトは、2050年には日本の温室効果ガスを1990年に比べ70%削減することを目標としており、住みやすい街や地域づくり、また技術イノベーションなど社会全体に改革を与え、2050年の望ましい社会・国を想定し、それを実現させるための筋道を考える、という「バックキャスティング」と呼ばれる方法を活用しています。
そしてこの研究では、考えられる2パターンの2050年の社会(シナリオA、シナリオB)の、どちらにおいても温室効果ガスを1990年に比べて70%削減することは可能だということが明らかになりました。

引用:低炭素社会に向けた12の方策 (env,go.jp)

※バックキャスティングとは
将来のあるべき姿を想定したあと、そこから逆算し、解決策を見つける、といった方法です。これは何十年もの長期的な目標を実現させるときによく使われ、スムーズな課題解決が可能になります。

低炭素社会実現に向けた取り組み

環境省が提示した、低炭素社会を実現するための12個の方策についてかんたんに説明します。

低炭素社会実現に向かた取り組み

快適さを逃さない住まいとオフィス

建築構造を工夫し、暖房・冷房を逃さない作りを普及します。

トップランナー機器をレンタルする暮らし

レンタル制度を活用し、高効率機器を手軽な値段で使用できるサービスを推進します。

安心でおいしい旬産旬消型農業

農作物を旬の時期に食べるよう推進します。これにより農業経営の低炭素化を図ることが可能になります。

森林と共生できる暮らし

建築物や家具に木材を積極的に利用することで林業ビジネスの発展が見込めます。

人と地球に責任を持つ産業・ビジネス

ニーズがある低炭素商品・サービスを開発・提供します。

滑らかで無駄のないロジスティクス

無駄な生産を止め、サービスを効率的に消費者に届けます。

歩いて暮らせる街づくり

車を使わないでも生活できるような街づくりを行います。

カーボンミニマム系統電力

再生可能エネルギーや原子力などの低炭素な電気を、電力系統を介して供給します。

太陽と風の地産地消

風力や太陽光などの地域エネルギーを最大限に活用します。

次世代エネルギー供給

水素やバイオ燃料に関する研究の促進をします。

見える化で賢い選択

温室効果ガス削減を「見える化」し、消費者の経済合理的な低炭素商品選択を支えます。

低炭素社会の担い手づくり

低炭素社会をつくる・支える人づくりに力を入れます。

参考:低炭素社会に向けた12の方策 (env.go.jp)

まとめ|低炭素社会の実現のために

「低炭素社会を実現する」という文は、一見するとなにか難しく、政府だけで解決すべき課題のように感じてしまいがちですが、実はとても身近で、企業や家庭の協力がなければ実現不可能です。いつもの生活に少し工夫を入れるだけで、環境に配慮した生活を送ることはかんたんにできます。国家、企業、個人と低炭素社会実現のための取り組みはさまざまですが、地球の未来のために、自身の日々の選択と行動を考えてみましょう。

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