B Corp認証とは?取得方法やメリット・代表的な企業を紹介

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B Corp認証とは、アメリカの非営利団体「B Lab」によって始まった、環境や社会の持続可能性を考慮し社会への説明責任を引き受ける企業に与えられる認証のことです。「B」は「Benefit(利益)」の頭文字で、Bコーポレーションとも呼ばれます。手順は少し複雑ですが、登録している日本企業は未だ少ないため、このB Corp認証の取得は企業露出や価値を高めるチャンスと言えるでしょう。本記事では、B Corp認証の取得方法から取得している日本企業まで網羅的に紹介していきます。

目次

B Corp認証とは

B Corp認証は、環境に配慮している企業に対して与えられる国際的な認証制度です。米国の非営利団体「B Lab」が運営しており、商品やサービスでなく企業のあり方そのものを評価します。

この制度の目的は、環境問題の解決に企業を巻き込むことです。パリ協定で設定された、産業革命以降の気温上昇を+2℃に抑える目標を受けて、ボランティア団体や政府、自治体が環境保全活動を行っています。しかし、経済活動を主導している企業の協力がなければ目標達成には届きません。そこで、企業に環境問題に取り組むインセンティブを与えるために始まったのが、B Corp認証制度なのです。この認証を受けることで、企業のイメージアップや競争力強化、優秀な人材の確保に繋がります。

B Corp認証の取得方法

B Corp認証を取得するには、以下の手順を踏む必要があります。工程が多いように見えますが、一つひとつ確実に追えば複雑なことはありません。

  1. B Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)に登録

まず、下記リンクより「B Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)」に登録します。

>>B Impact Assessment (bcorporation.net)

2022年6月時点では日本語に対応していないため、英語かスペイン語で申請する必要があります。

  1. B Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)に回答

次に、B Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)に回答します。内容は、企業の規模や事業内容、参入している業界、環境、地域社会に関する約200項目です。回答は、無料でおこなうことができます。回答後、B Impact Assesmentに回答の内容を証明する書類を提出しましょう。

  1. B Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)で80点のスコアを取得

登録・回答が終われば、B Impact Assesment(Bインパクトアセスメント)で80点のスコアを取得する必要があります。この試験も、無料で受けることができます。更新の際には、再度この試験を受けなければなりません。

  1. B LabによるB Corp認証の適正審査

続いて、B Labの審査員によるB Corp認証の適正審査を受けます。審査対象に含まれるのは、B Impact Assesmentの回答結果や会社の業態、業界です。さらに、B Lab側による公式サイトやニュース、公表資料の調査もおこなわれます。また、雇用者や供給業者についての情報開示が求められます。

  1. 審査完了後にBコーポレーション契約にサイン

適正審査を通過しましたら、Bコーポレーション契約にサインしましょう。

  1. B Corp認証を取得

以上で、B Corp認証を取得する工程は完了しました。最後に、B Corpの宣言書への署名と契約書の作成、B Labへの認定料の支払いをおこないましょう。また認証を受けた企業は、B Corp認証の透明性を確保するために、B Impact Assesmentのスコアや後述のBインパクト・レポートなどの企業プロフィールを公開する必要があります。

B Corp認証の更新方法

B Corp認証は、3年ごとに更新しなければなりません。その際、B Impact Assesmentの受験と、自社の環境保全への取り組みを報告する「B Impact Report(Bインパクト・レポート)」の提出が求められます。

B Corp認証を取得するメリット

日本では未だ知名度の低いB Corp認証。このB Corp認証の取得にはどのようなメリットがあるのか、気になる方も多いでしょう。本項では、3つのメリットを解説していきます。

ブランド価値・社会的信用UP

まず挙げられるのは、自社のブランドイメージの向上と社会的信用の構築です。「環境に優しい企業であるか」という観点は、投資家や消費者が近年重視している項目になります。環境問題への取り組みをおこない社外にアピールすることで、自社の製品やサービスの競争力を高められるのです。この社外にアピールする、という点を客観的な評価として示すことができるのが、B Corp認証の取得なのです。

ステークホルダーからの支持

B Corp認証を取得することによって、投資家や株主などのステークホルダーから社会貢献活動への理解を得やすくなります。反対に言えば、B Corp認証を取得していないと、社会には価値を与えているが、自社の利益に繋がりにくいような事業をおこないづらくなります。

優秀な人材獲得に寄与

環境保全活動のアピールによって会社の印象が良くなることで、理念に共感できる企業への就職を希望する人々の間で競争力が高まり、優秀な人材の確保に繋がります。

B Corp認証を取得した企業

B Corp認証は未だ日本で普及しておらず、国内で認証を取得している企業は2022年3月時点で以下の5社に留まります。

  • Patagonia(パタゴニア)
  • 石井造園
  • 日産通信
  • フリージア
  • ダノンジャパン

審査が厳しく比較的新しいため、国内での取得事例が少ないB Corp認証ですが、世界全体では71か国で約3200社が認証を受けています。すでにアメリカでは、B Corp認証マークの付いた商品を買う、B Corp認証を受けた店で食事をする、B Corp認証を受けた銀行に預金するというように、B Corp認証が生活に浸透しています。またアジア圏では、台湾の企業が多く認証を受けており、その数は26社です。日本でもいずれ普及することが予測されるため、今のうちにB Corp認証を取得することで、海外での競争力、ひいては企業の競争力を強めることができるでしょう。

まとめ|B Corp認証で環境配慮を

審査が厳しく国内事例も少ないB Corp認証。取得のハードルが高いからこそ、他社との差別化や自社製品の競争力向上に繋がります。公式サイトにアクセスし、まずはBインパクトアセスメントへの登録をおこないましょう。

>>B Impact Assessment (bcorporation.net)

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