経団連生物多様性宣言とは?行動指針と企業の取り組み事例の紹介

bannar

経団連生物多様性宣言とは、経済団体連合会(以下経団連)が、企業・団体の立場から生物多様性保全に対する決意と行動指針を示したものです。これは「環境と経済の両立に向けて、企業が自主的かつ積極的に取り組む」という経団連の基本的な考え方(経団連環境イニシアティブ)の流れを汲むものです。本記事では、生物多様性宣言の概要や、賛同する企業の取り組み事例10選について解説します。

目次

経団連生物多様性宣言

「経団連生物多様性宣言」とは7つの原則からなる、生物多様性を保護する取り組みを促している、実践重視の考え方です。経団連が2009年3月に発表したもので、企業・団体の立場から生物多様性の問題に取り組む決意や行動指針が示されています。

この取り組みに賛同している企業や団体は「経団連生物多様性宣言イニシアチブ」と呼ばれ、着実に数を増やしています。

7つの原則(行動指針)については、次章で説明していきます。

経団連とは

「経団連」とは、地球サミットが開催された1992年に創設され、当初から今までさまざまな生物多様性保全活動の中心となってきました。2021年4月1日時点では、日本企業1,461社、業種別全国団体109団体、地方別経済団体47団体などが参加しています。

政治や行政、労働組合や市民などからなるステークホルダーと関わりながら、経済界が抱えている重要課題を解決に導くことが主な活動内容となっています。

詳しくはこちらを参照してください。

>>経団連とは (keidanren.or.jp)

生物多様性とは

「生物多様性」とは、さまざまな種類の生き物たちの個性や繋がりのことを指します。どんな生き物も、ほかの生き物と繋がりを持ち、支え合いながら生きています。そういった個性豊かな生き物たちがともに生きていくことを「生物多様性」と言います。

生物多様性ビジネス貢献プロジェクトとは

2020年11月に、経団連・経団連自然保護協議会は、生物多様性分野においての連携に合意しました。この「生物多様性ビジネス貢献プロジェクト」はその活動の一環としておこなわれているものです。

具体的には、ウェブサイトや動画を通し、日本企業の環境に関する取り組みを国内外に発信する、といった活動です。

参考:生物多様性 (keidanrensdgs.com)

詳しくはこちらを参照してください。

>>生物多様性ビジネス貢献プロジェクト (biodic.go.jp)

生物多様性宣言の行動指針

経団連生物多様性宣言の行動指針(原則)は以下の7つです。

1.【経営者の責務】:持続可能な社会の実現に向け、自然の営みと事業活動とが調和した経営を志す

2.【グローバルの視点】:生物多様性の危機に対して、グローバルな視点を持って行動する

3.【自主的取り組み】:生物多様性に資する行動に自発的かつ着実に取り組む

4.【環境統合型経営】:環境統合型経営を推進する

5.【自然資本を活かした地域の創生】:自然への畏敬の念を持ち、自然資本を活用した地域の創生に貢献する

6.【パートナーシップ】:国内外の関係組織と連携・協議する

7.【環境教育・人材育成】:生物多様性を育む社会づくりに向け、環境教育・人材育成に率先して取り組む

引用:経団連生物多様性宣言・行動指針 (env.go.jp)

詳しくは、こちらを参照してください。

>>経団連生物多様性宣言・行動指針 改訂版 (keidanren.or.jp)

賛同企業の取り組み事例 10選

本章では、生物多様性宣言に関する具体的な企業の取り組みについて紹介していきます。

トヨタ

トヨタグループでは、2015年に自然共生の取り組みとして「オールトヨタグリーンウェーブプロジェクト」を立ち上げました。具体的には、植樹や河川の水質向上活動、子どもを招いたSDGs関連のイベントをおこなっています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/137_J.pdf


日立製作所

日立製作所では、2016年に「日立環境イノベーション2050」を策定し、低炭素社会や自然共生社会を目指した経営戦略を確立しています。具体的な活動としては社内有志の植樹ボランティアや、高品質な水を届けるための森づくり活動に取り組んでいます。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/124_J.pdf


キリンホールディングス

キリンホールディングスでは、2020年に「環境ビジョン2020」を発表してから、原料の育種や調達、また生産地域の環境の向上に焦点を当てた取り組みをおこなっています。具体的には、茶葉の生産地であるスリランカの意欲ある紅茶農園に対して、レインフォレスト・アライアンス認証の取得支援に取り組んでいます。2019年までには、累計84農園が認証を取得しました。

※レインフォレスト・アライアンス認証とは

「レインフォレスト・アライアンス認証」とは、天然資源や生態系、生物多様性を守りつつ、労働者の労働条件や家族・地域の教育などが理想的なものだとされた農園に与えられるものです。厳しい審査基準が存在するゆえ、信頼性の高いものとされています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/025_J.pdf


パナソニック

パナソニックは「パナソニック環境ビジョン2050」を策定し、より良い暮らしと持続可能な地球環境の両立を目指して取り組んでいます。具体的には、地域・行政と連携した事業場緑地管理と環境教育、そしてバラスト水処理システムの開発などです。また、持続可能な原材料調達を今後の課題として捉え、取り組みを推進させています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/053_J.pdf


東日本旅客鉄道(JR東日本)

JR東日本では、ふるさとの森づくり(2004年〜)やプラスチック削減の取り組み(2019年〜)、また出前授業による環境教育(2009年〜)など、さまざまな環境への取り組みをおこなっています。また、2030年には、2013年度比でCO2排出量50%削減を達成することを発表しています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/195_J.pdf

セブン&アイ・ホールディングス

セブン&アイ・ホールディングスでは、生物多様性や気候変動、人権問題などに対して、「持続可能な調達基本方針」を策定しました。自社だけでなく、ステークホルダーやサプライチェーンにも賛同を促し、より幅広い範囲で取り組みをおこなっています。具体的には、農薬や化学肥料を減らすだけでなく、収益の一部を環境整備やコウノトリ育成募金に寄付しています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/022_J.pdf


キヤノン

キヤノンでは、「鳥」を生命の循環のシンボルとし、鳥をテーマとした「バードバランチプロジェクト」に各国で取り組んでいます。新技術を取り入れた保護研究や啓蒙活動などを日本語・英語・中国語の3カ国語で展開しています。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/073_J.pdf

サントリー

サントリーでは、水資源の持続可能性を目指した「天然水の森」や次世代に向けた出張授業である「森と水の学校」、また「愛鳥活動」などの取り組みをおこなっています。「水と生きる」をテーマに、国内だけでなく北米、欧州、アジアでもこういった取り組みを展開していく予定です。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/126_J.pdf

東京電力ホールディングス

東京電力ホールディングスでは、一部が社有地となっている尾瀬国立公園での生物多様性の保全や持続的な利用を目指して取り組みをおこなっています。具体的な取り組み内容としては、木道の設置や自然解説ガイド、山小屋への太陽光発電パネルの設置です。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/139_J.pdf

日本郵船

日本郵便では、船の調達や運行、処分のどの場面でも生物多様性に影響を与える可能性があることを認識し、その影響をできるだけ小さなものにしようと努力しています。具体的には、水生生物が船に付着し海域を移動してしまうことを防ぐために頻繁に船底クリーニングを実施することや、バラスト水処理装置のつくりを海への影響が限りなく少ないものに変えるなど、たくさんのことに取り組んでいます。

詳しくは、こちらを参照してください。

>>http://www.keidanren-biodiversity.jp/pdf/019_J.pdf

まとめ|生物多様性保全への賛同を

近年、改めて生物多様性の重要性について理解され始め、多くの企業が取り組みを急速におこなっています。今生きている地球が、どの生物にとってもより住みやすいものとなるよう、積極的に取り組んでいきましょう。

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