CO2削減の方法|家庭やオフィスで実践すべき取り組みを紹介【個人/企業】

bannar

京都議定書の後継となる2015年のパリ協定では、「世界の平均気温上昇を2℃未満にする(さらに、1.5℃に抑える努力をする)、今世紀後半に温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」という目標が掲げられました。それを受け、日本では2020年に『2050年カーボンニュートラル』が宣言され、2050年を目標に、国としてその実現を目指しています。この目標を達成するためには、政府だけでなく、各企業や各家庭での努力・協力が必要となってきます。この記事では、環境省がキャンペーンとして推進する『COOL CHOICE』を元に、CO2削減のためにオフィスや家庭で取り組むべき方法を紹介します。

目次

COOL CHOICEとは

「COOL CHOICE」とは、環境省のサイトでは次のように述べられています。

『「COOL CHOICE」は、CO2などの温室効果ガスの排出量削減のために、脱炭素社会づくりに貢献する「製品への買換え」、「サービスの利用」、「ライフスタイルの選択」など地球温暖化対策に資するあらゆる「賢い選択」をしていこうという取組です。』

引用:COOL CHOICEとは (ondankataisaku.env.go.jp)  

COOL CHOICEでは、複数のキャンペーンを推進しています。それは「5つ星家電買換えキャンペーン」「できるだけ1回で受け取りませんかキャンペーン」「エコ住キャンペーン」「チョイス!エコカーキャンペーン」の4つです。

より詳しく知りたい方は、こちらのページを参照してください。

>>2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、未来のために、いま選ぼう。(ondankataisaku.env.go.jp)

脱炭素アクションとして提示される5つの活動

「脱炭素アクション」として提示されるアクションは次の5つです。

  • クールビズ
  • ウォームビズ
  • エコドライブ
  • スマートムーブ
  • あかり未来計画

これらについて説明していきます。

5つの脱炭素アクション

クールビズ

「クールビズ(COOLBIZ)」とは、夏の暑い日でも、暮らしの中の少しの工夫によって快適に過ごすことができるライフスタイルを推進する活動です。冷房を使うときは室温28℃を目安にする、軽装を心がけるなど、冷房時の外気温や体調などを考慮しながら、冷やしすぎない室温管理を求めています。

家庭でのクールビズ

家庭では、クールビズの工夫によって環境への配慮はもちろん、家族の健康をも守ることにも繋がります。前述の通り環境省が推奨している室内気温は28℃ですが、それ以下での冷房の使用を続けてしまうと冷えに慣れて汗をかかなくなり、汗線が退化してしまう恐れがあります。それにより身体の体温調節機能が正常に動かなくなるため、発育期の子どもには特に悪影響です。また、暑い夏を28℃以上でも快適に過ごす工夫として、「エアコンの稼働を1台に抑えるため、1つの部屋に家族みんなで集まり、団らんを楽しむ」「夏野菜やかき氷などで身体の中から涼しさを感じる」といったことが挙げられます。

オフィスでのクールビズ

オフィスでは、「うちわや扇子を利用することで涼しさを感じる」「ひんやり素材のマスクやクールタオルなどの冷感グッズを利用して体感温度を下げる」といった取り組みを行うことが可能です。また、水色や黄緑色といった清涼感のある色味の服を着たり、外回りから帰ってきた際には肌着を変えて服装を整えることで、視覚的にも涼しくなることができます。

クールシェア

家庭やオフィスで28℃以上でも快適に過ごすことができる工夫を考える「クールビズ」とは違い、エアコンの使い方を見直し、快適に過ごす空間を共有することを「クールシェア」といいます。家庭内ではもちろんのこと、近所同士で家に集まったり、街の図書館やカフェに涼みに行くといったことも推奨されています。

グリーンカーテンプロジェクト

夏のCO2削減や節電対策として今注目を浴びているのがグリーンカーテンです。「グリーンカーテンプロジェクト」とは、ゴーヤやアサガオなどを育ててつくるグリーンカーテンを全国で推進するプロジェクトです。グリーンカーテンには大きく分けて2つの効果があります。1つ目は窓からの直射日光を防ぐ効果です。すだれは日射を50~60%カットできるのに対し、グリーンカーテンは80%もの日光を遮断することが可能です。そしてグリーンカーテンの2つ目の効果は、家の表面温度を抑えることです。表面温度が高くなった壁から放出される熱も、夏の暑さの原因となります。グリーンカーテンを使い表面温度の上昇を抑えることで、暑さを軽減することが可能となります。

参考:COOLBIZ (ondankataisaku.env.go.jp)

ウォームビズ

「ウォームビズ(WARMBIZ)」とは、冬場の室内気温は20℃を目安に、快適に過ごすことを推奨する取り組みです。暖房に必要となる必要なエネルギーを減らすことによって温室効果ガスを削減し、地球温暖化防止に繫げることが目的とされています。室温設定の調節による省エネ活動は、CO2削減だけでなく、電気代を大きく節約することにも繋がるため、今注目を浴びる環境活動の1つです。


衣食住へひと工夫

普段の衣食住のライフスタイルにひと工夫加えるだけで、かんたんにウォームビズに参加することができます。まずは「衣」です。気温が低いときは首、手首、足首の「3つの首」を温めることが良いとされているため、ネックウォーマーや手袋を活用し、強い暖房をかけずとも体感気温を暖かく保つことが可能となります。次は「食」です。冬が旬のものを使った鍋を食べることで心もからだも暖ためることができます。「住」については、ドアや窓から暖かい空気が逃げないように、断熱シートや厚手のカーテンなどで工夫することが可能です。また、湯たんぽやクッションなども活用しましよう。


ウォームシェア

個人個人、別の部屋で暖房を使うのではなく、1つの部屋に集まって暖房を共有することを「ウォームシェア」と言います。これは家族だけではなく、図書館や児童館などの公共施設を利用し、家の暖房の稼働を抑えることも活動の1つに入ります。

参考:ウォームビズ(WARMBIZ)とは (ondankataisaku.env.go.jp)


エコドライブ 

環境問題を意識し、燃料消費量やCO2排出量を減らそうという心がけや運転技術のことを「エコドライブ」と言います。エコドライバーになることは、燃費が良くなったり、交通事故が減り安全運転が増えたり、というさまざまなメリットがあります。
エコドライブには10の心がけがあります。

自分の車の燃費を把握

毎日の燃費を確認することで、自分のエコドライブ効果を実感することができます。これには燃費計や携帯のアプリでの燃費管理を使用するとかんたんです。

eスタートをする

車を発進させるときは勢いよくアクセルを踏むのではなく、穏やかにアクセルを踏みましょう。目安は、はじめの5秒で時速20km程度です。これにより燃費が約10%改善します。

無駄な加速や減速をやめる

車間距離にゆとりを持つことで、加速や減速を防ぐことができ、実際に市街地では約2%、郊外では約6%も燃費が改善されます。

減速時は早めにアクセルを離す

車を停止させたい場合、早めに足をアクセルから離しましょう。そうすることでエンジンブレーキが働き、2%ほど燃費が改善されます。減速時だけでなく、坂道を下るときにもエンジンブレーキをかけましょう。

エアコンの使用は適切に

車内のエアコン(A/C)は除湿や冷却のための機能です。もし暖房をつけたい場合はエアコンスイッチを切りましょう。このことで燃費が約12%改善されます。

無駄なアイドリングの防止

車を停めている場合のアイドリングをやめることで、10分間で130cc(エアコンがOFFの場合)もの燃費を改善することができます。-20℃くらいの極寒地以外は走りながら車内を暖めるウォームアップ走行で充分暖めることが可能です。

時間に余裕を持って出発

出発する前に道路交通情報やルートをあらかじめ検索し、無駄な運転を控えましょう。10分間余計に運転すると17%燃費が悪化することがわかっています。

タイヤの空気圧チェック

タイヤの空気圧が不足することで、市街地で約2%、郊外では約4%燃費が悪化します。

不要な荷物を下ろす

車の燃費は荷物の重さによって影響されるため、いらない荷物はできるだけ下ろしましょう。

迷惑駐車をやめる

迷惑な場所での駐車は、燃費悪化だけでなく交通事故ももたらす可能性もあります。迷惑駐車が少ない道では、平均速度が向上するため、燃費が改善されます。

参考:エコドライブとは (ondankataisaku.env.go.jp)


スマートムーブ

環境に配慮した賢い移動方法のことを「スマートムーブ(smart move)」と呼びます。人々の移動に伴うCO2排出量は全体の約4分の1とされており、移動方法の見直しが求められています。スマートムーブは環境に良いだけでなく、人々の健康にも良い影響を与えることも、この活動が注目を浴びている1つの理由となっています。

スマートムーブは5つの取り組みを推進しています。


公共交通機関の利用

公共交通機関(電車やバス)の利用は自動車の利用に比べ、CO2排出量を大きく抑える事が可能になります。

徒歩や自転車での移動を

徒歩や自転車はCO2をまったく排出しないため、移動手段の中ではもっともエコだとされています。近くのコンビニや近所にでかける際には、車ではなく徒歩や自転車の活用が推奨されています。

自動車の利用の工夫

普段の自動車の利用に、ふんわりアクセルやアイドリングストップ防止などを活用することで、エコに車を運転することが可能になります。また、ハイブリッド車やEV車などのエコカーへの乗り換えも推進されています。

長距離移動の工夫

長距離を移動する場合は一人ひとりの大幅なCO2削減活動が求められています。出張先や旅行先では車をレンタルせず、自転車や公共交通機関を利用するなど、さまざまなCO2削減の機会があります。

地域や企業の移動・交通におけるCO2削減の取り組みへの参加

近隣に住む人々と車を共用し、必要なときだけ使う「カーシェアリング」や街全体で自転車をシェアする「コミュニティサイクル」などのエコ活動に参加してみましょう。


参考:「移動」を「エコ」に。 (ondankataisaku.env.go.jp)


あかり未来計画

家庭やオフィスで使用されている照明は、たとえ一つ一つのサイズは小さくとも、全体で見た電気使用量はかなり多くなってしまいます。そのため環境省や経済産業省は、それらの照明を白熱電球からLED照明や有機EL照明などに変えて節電することを求めています。

参考:あかり未来計画とは (ondankataisaku.env.go.jp)

企業が導入できるCO2削減の方法

これまで日常生活をはじめとして、家庭やオフィスにおけるCO2削減方法を紹介してきました。ここからは企業のCO2削減のための具体的かつ積極的な取り組みを紹介していきます。

太陽光発電とカーボンオフセットの特徴

太陽光発電

企業の環境活動の中で有名なものの1つに「太陽光発電」があります。太陽光発電は太陽の光エネルギーを直接電力に変換するものです。日本における太陽光発電の普及率は近年着々と伸びており、現在では中国やインドと肩を並べ、世界をリードしています。太陽光発電に使用されている太陽電池を複数並べたものを「ソーラーパネル」と呼びます。また、太陽光発電には4つの特徴があります。

太陽光がエネルギー源

エネルギー源が太陽光なため、設置場所に制限がなく、有限資源ではありません。

用地の占有がない

屋根や壁などに設置できるため、用地を用意したり幅をとることがありません。

遠隔地の電源

山岳地や農地など、送電設備のない遠隔地の電源として活用することが可能です。

非常用電源

地震や津波などの災害時に、非常用電源として使用できます。

参考:太陽光発電 (enecho.meti.go.jp)

カーボンオフセット

「カーボンオフセット」とは炭素(カーボン)を相殺(オフセット)するという意味です。具体的には、努力しても削減しきれない、排出されたCO2を植林や森林保全などのCO2削減事業や他の企業や他国との取引によって相殺するというものです。カーボンオフセットには5つの方法があります。

オフセット製品・サービス

製品の製造や販売に関わる人やサービス業に従事する人が、その製品の製造やサービスを提供する過程で排出されるCO2を削減する取り組みです。

会議・イベントのオフセット

イベントや会議の主催者が、そのイベント内で排出されるCO2を埋め合わせる取り組みです。

自己活動オフセット

主に企業の事業活動によって排出されるCO2を埋め合わせる取り組みです。

クレジット付随品・サービス

製品の製造や販売に関わる人やサービス業に従事する人、そしてイベントの主催者などが、製品やサービスなどにクレジットを付与し、購入者や参加者の生活に伴うCO2排出量をオフセットする取り組みです。

寄付型オフセット

製品の製造や販売に関わる人やサービス業に従事する人、そしてイベントの主催者などが、消費者に対し、クレジットの活用によるCO2排出削減の取り組みへの参加を促し、クレジットを購入・無効化する取り組みです。

まとめ|CO2削減に取り組む

地球温暖化が加速し、気温上昇や自然災害が起こっている現代においては、環境活動に参加することは義務になってきているようにも感じられます。環境に配慮した生活を送ることは決して難しいことではなく、普段の生活に一工夫加えるだけでも、環境に良い影響を与えることになります。一人ひとりが環境問題に対して責任感を持ち、自発的に行動することが求められています。パリ協定で設定された2050年までの目標を達成するために、できることを身近なところから始めていきましょう。

またこのwebメディアを運営している、株式会社ECOLOGICAでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。ECOLOGICAは、世界最大級の太陽光専門商社PROINSOグループの日本総代理店です。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。

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