都会のジャングルの中の小さな緑のオアシス、アテネのポケットパーク

bannar

緑の少ない都会の空間を何とか改善できないかと、ギリシャの首都であるアテネに設置されたポケットパーク。アテネはそれ以前から持続可能な開発に取り組んできました。アテネのみならず、世界中の様々な都市で、都会の土地不足が起こっています。農村部からの都市への人口流入によって、住宅は密集し住環境は悪化してしまうのです。日本でも都市部のヒートアイランド現象がよく知られています。

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ポケットパークの効果は?

ロイターによるアテネのポケットパークの特集によると、アテネ市長、コスタス・バコニヤスはインタビューで「ポケットパークによって、植物の育つ空間を確保できる。これは都市部の気温を下げることにもつながる。またそれらは市民の生活の質を向上させる。このポケットパークは街の中のお手本となる。」と語っています。

現在の気候変動の状況に危機感を募らせる科学者が、こぞってポケットパークを評価するのも当然でしょう。人口過密の問題を抱える都市では犯罪率も上昇しますし、農村部から単身で流入した若年層は貧しさや孤独を抱えることが多いです。アメリカやイギリスでは既に環境保全という目的に加え、これらの問題を解決する手段としてポケットパークの導入が検討されています。さらに、Covid-19の影響で外出自粛要請が各国で行われる中、加速する孤独を解決するためにより重要な役割を果たすようになる可能性があるのです。

ポケットパークに施されたさまざまな工夫

アテネのポケットパークは様々な工夫が施されています。例えば、歩道などに環境に配慮したコンクリートが使用されていたり、リサイクルによって作られた木のベンチが設置されていたり、一年中葉をつけているあまり大きくない植物で花壇を囲うことで人から踏まれないようにしたりします。また、地下の灌漑を利用して常緑樹と落葉樹を多く育て、一年中光合成が行われるようにしています。これらの植物や共生する昆虫についての説明を載せた看板や、現在の気温などの状況を表示する、太陽光発電によって稼働している電子パネルなどの設置によって、訪れた人は環境について学ぶことができるのです。

アテネへの国際的評価

このような取り組みを進めるアテネは、CDPによる2020年のヨーロッパアワードで表彰されています。

地球温暖化に対する取り組みが認められ、2019年と2020年の2年連続でAリストの都市として認定されています。

参考記事:https://neoskosmos.com/en/202802/the-pocket-parks-of-athens-little-green-oases-in-the-urban-jungle/

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