米国、大規模な洋上風力発電プロジェクト始動

米国は先月、海洋上に設置された洋上風力発電所から1,000万世帯分の電力を供給するプロジェクトを発表しました。
洋上風力発電は、陸上と比べて風速が速いことや、景観、騒音の観点から近年注目されている発電方法の1つです。
「Vineyard Wind」として知られるこの開発は、今年5月に米国海洋エネルギー管理局によるプロジェクトの認証が完了し、重要な一歩を踏み出しました。トランプ政権下では何度も延期されていたプロジェクトですが、現在は2023年までに発電所が完成すると予定されており、84基の風車で構成され、800メガワットの電力を発電する計画です。
また、米国の東海岸では合計で13の洋上風力発電所が検討されており、タービンの数は2,000基と推定されています。 ニューヨーク・タイムズ紙の報道によると、ホワイトハウスは、計画されている風力発電所によって7,800万トンの二酸化炭素排出を回避できると述べています。
米国はこれまで英国や中国などと比較し風力発電の導入が遅れていましたが、このプロジェクトが実現すればこれらの国々を急激に追い上げることとなるでしょう。

目次

各国の洋上風力発電状況は?英国が首位、中国、ドイツと続く

世界の洋上風力は、2016年の2.2ギガワットから2020年には6.1ギガワットに拡大しています。
特に英国は、各国の中で最も多くの洋上風力発電容量を有しており、世界ランキングでは現在首位です。また、中国は、毎年完成する新規洋上風力開発の数が世界で最も多く、世界風力エネルギー協会(GWEC)によると、中国は現在、ドイツを3位に下し、世界ランキング第2位となっています。

GWECが称賛の対象として挙げたもうひとつの国が韓国です。
韓国は2021年2月、432億ドルを投じて8.2GWの洋上風力発電所を建設する計画を発表しました。この計画は、韓国が2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするネットゼロを実現するための「グリーン・ニューディール」の一環です。
韓国の文在寅大統領は、この計画の発表会見に集まった記者に対し、「このプロジェクトにより、環境に優しいエネルギーへの移行を加速させ、ネットゼロに向けてより強力に前進します。」と述べました。
2030年に発電所が完成すれば、韓国の風力発電所は世界最大規模となり、現在世界最大の洋上風力発電所である英国のHornsea 1発電所の112万kWを凌ぐことになります。

2050年の目標達成のためには、ただちに動き出さなければならない

さまざまなプロジェクトが各国で計画・実行されていますが、GWECは報告書の中で、現在のこれらの政策は迅速かつ大胆に実施されていないとの見解を示しています。各国が直ちに計画を実行しない限り、今後の気温上昇は+2.1℃に達する可能性があり、2050年までにネット・ゼロの目標を達成できなくなると言うのです。
洋上風力発電は、近年世界的に市場が拡大し注目を集めています。この流れを汲み、日本においても新技術の導入や大規模な研究開発への投資を行う必要があるでしょう。

参考記事:Giant offshore wind plant in US will go live in 2030 | World Economic Forum (weforum.org)

この記事をSNSでシェア
目次
閉じる