イングランドの国立公園における、景観保護を支援する計画
イングランドの国立公園を将来の世代のために保護する計画が、2022年1月15日にジョージ・ユースティス環境長官によって発表されました。
景観を保護することによって、人々の自然へのアクセスを向上させることができ、より緑豊かな社会の実現において、今後70年以上にわたり重要な役割を果たすと政府は考えています。
より緑豊かな社会の実現へ
イングランドの国立公園や特別自然美観地域(AONB)を管理する人々は、協力して自然の再生に取り組む予定です。
ジョージ・ユースティス環境長官は次のように述べています。
「国立公園と傑出した自然美は、我が国において最も素晴らしく、最も大切にされている自然の1つです。本日発表された一連の包括的な措置は、私たちの景観保護の物語における新たな章を象徴しており、私たちは関係者と緊密に協力し、慎重に対応策を策定してきました。」
イギリス政府は環境25ヵ年計画の中で、2030年までにイギリスの土地の30%を保護し、2050年までにネットゼロを達成することを公約に掲げています。今回の計画は、この公約を達成し、より緑豊かな社会を実現するために極めて重要な役割を果たすでしょう。
外で過ごす時間が増えた一方で、所得による不平等も
保護される景観は、気候変動への取り組みや生物多様性の保護、国民の健康と福祉を支える上で欠かすことのできない役割を担っています。自然環境に関する政府のアドバイザー機関であるナチュラル・イングランドが発表した裏付けによると、国民の約半数がコロナウイルスのパンデミック前よりも外で過ごす時間が増えたと答えました。さらに別の調査では、成人の大半が自然の中で過ごす幸福度が上がったことがわかっています。
一方で、パンデミックによる問題も浮き彫りになっています。それは、緑地へのアクセスの不平等です。ナチュラル・イングランドの調べによると、パンデミック中の通常の週に緑地を訪れた人の割合は、最低所得者層では約3分の1であったのに対し、所得の高い層では約60%にも及びました。
今回の計画は、人々の自然へのアクセス向上だけでなく、より多くのイギリス国民が自然豊かで美しい景観へのアクセスの恩恵を受けられるようにすることが目的です。
参考記事:https://www.countytimes.co.uk/news/19850087.plans-help-strengthen-protected-landscapes-england/
https://www.gov.uk/government/news/ambitious-proposals-to-strengthen-our-protected-landscapes-announced