カナダ・BC州におけるカーボンオフセットの取組とは
先月31日より英・グラスゴーで開催された第26回気候変動枠組条約締約国会議(COP26)において、カナダ・ブリティッシュコロンビア(BC)州のカーボンオフセットの取組が紹介されました。
BC州の環境相ジョージ・ヘイマン氏は、BC州の気候変動への取組について、温室効果ガスの排出量は依然として増加しているが森林保護プロジェクトによって大幅に相殺されている、と指摘しています。
COP26で明らかになった、BC州の素晴らしい取組
水曜日にスコットランドからインタビューを受けたヘイマン氏は、COP26について「気候変動対策の大きな緊急性も見えたが、希望もある。」と総括しています。ヘイマン氏は10月3日、スコットランドの北米ビジネスカウンシルの会合で講演し、交通機関、建物、産業界の排出量を削減するCleanBC計画の最新情報と、カーボンオフセットをBC州がどのように活用しているかについて説明しました。
BC州では、農業、石油・ガス、林業における温室効果ガス削減活動を評価するカーボンオフセットプログラムを実施しており、伐採が予定されていた沿岸地域の保全がオフセットの大部分を占めています。同州の最新の温室効果ガス報告書によると、BC州に炭素税が導入された2007年の基準年と比較して、2019年の排出量は5%増加しています。しかし、BC州の排出量の記録によると、カーボンオフセットを考慮すると、2007年のレベルからは2パーセントの増加に留まるというのです。
カーボンオフセットの対象となるのは、主にBC州のセントラルコーストとノースコースト、Great Bear North、Great Bear South、Great Bear Haida Gwaiiに指定された地域です。その他にも、クアドラ島の森林地やウィスラー地域のチアカマス・コミュニティ・フォレストでもオフセットプロジェクトが行われています。
企業と連携し、効果的なカーボンオフセットを
BC州政府は、Cheakamus Community Forestのウェブサイトによると、VanCity、Tinhorn Creek、Sharp Six Consulting、Ecotrust Canada、Brinkman Climate、Eclipse Awards、Local Practice Architecture、MET Fine Printers、Resort Municipality of WhistlerなどBC州の多くの企業にカーボンクレジットを販売しているようです。
さらにBC州政府は、原生林を伐採計画から外して保存する計画を進めていますが、ここでもLNGカナダやその他のエネルギープロジェクトの開発によって排出量が増加していることを受け、カーボンオフセットは注目されています。
環境省は声明の中で、「カーボンオフセット事業については、温室効果ガスを大気中に放出しないよう、炭素吸収力を高める森林管理方法を模索しなければならない。」と述べています。有効なオフセットとみなされるために各プロジェクトは、合法的で十分な排出削減であることを確認するために、厳しい評価とフォローアップを受けなければならないのです。
参考記事
>>B.C. forest carbon offsets showcased at UN climate conference – Campbell River Mirror