環境保護運動家デヴィッド・スズキ氏、カナダ政府のパイプライン建設を批判

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環境保護運動家であるデヴィッド・スズキ氏は、カナダ政府が気候変動に対処しなければ、現在建設中のパイプラインは爆破されるだろうと発言しました。日系カナダ人のスズキ氏は、カナダにおいて環境保護運動のゴッドファーザーと呼ばれる存在で、メディア出演や大学での講義を積極的に行っています。

パイプラインが爆破されるとはどういうことでしょう。なぜこのような主張をするに至ったのでしょうか。

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パイプラインを巡るデモはなぜ起こった?

デヴィッド・スズキ氏は、パイプライン建設計画である「LNGカナダプロジェクト」を巡って行われたデモで「政府が気候変動に取り組まなければ、パイプラインが爆破される。」と述べ、危険な発言であると広く批判を浴びています。

この計画は、ブリティッシュ・コロンビア州モントニーで採掘したシェールガスを、670㎞に及ぶパイプラインでキティマットまで運び液化し、アジア市場に対し輸出を行うものです。日本のみずほ銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行も、パイプライン事業に融資を行っています。
このLNGカナダプロジェクトは、2024年度から40年の稼働が計画されており、計画通り進めば2050年を越えてガス生産が行われることになり、パリ協定の2050年までにネットゼロを達成する目標に明らかに反するでしょう。そのため同計画には反対の声が多く、ブリティッシュ・コロンビア州のビクトリアのダウンタウンで、「未来への葬儀」と呼ばれるイベントが行われました。

スズキ氏はインタビューで、「私たちは、深い、深い溝の中にいます。これが我々の来た道です。早くカナダ政府が今起こっていることに注意を払わなければ、パイプラインが爆破されることになるでしょう。」と述べました。

85歳にして精力的に活動を続けるデヴィッド・スズキ氏、その主張は

デヴィッド・スズキ氏は、1970年代から気候変動について発言し、85歳の現在もなお活動を続けている環境保護運動家です。バンクーバーで生まれボストンのアマースト大学で学び、シカゴ大学で動物学の博士号を取得しました。また、2001年に引退するまでの約40年間、ブリティッシュ・コロンビア大学で遺伝学を教えていました。

彼は、今回のデモに対して「暴力を振るっているのは、当局、政府です。彼らは、抗議している人たちに対して宣戦布告しているのです。」と語りました。

実際に、月曜日には、金曜日にブリティッシュ・コロンビア州のパイプラインに対する先住民の抗議活動を取材中に逮捕された2人のジャーナリストが保釈されました。また、写真家のアンバー・ブラッケンと映像作家のマイケル・トレダノが逮捕されたことで、報道機関やブリティッシュ・コロンビア州のマイク・ファーンワース公安大臣から反発を受けました。

政府は、スズキ氏の発言はインフラがテロの標的になることを示唆する非民主的なものであるとし危険視していますが、彼は人類の未来を見据えて警鐘しているのです。インフラ整備の前に、50年もの間環境保護を訴えてきた彼の言葉に耳を傾ける必要があるでしょう。

参考記事
>>Environmentalist David Suzuki says ‘pipelines will be blown up’ if climate change isn’t tackled | Daily Mail Online
>>FoE Japan |【抗議声明】国際協力銀行及び民間銀行はLNGカナダ事業への融資撤回を!COP26直前の気候危機、先住民族の権利を無視した公的融資決定に強く抗議

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