低炭素社会実現に向けて、金融機関が注目すべき5つのポイントとは?

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カナダのグローバルリスク研究所は、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が8月9日に発表した報告書「Climate Change 2021: The Physical Science Basis」を受けて、金融部門はグリーンな経済を実現するためにただちに動かねばならないと発表しました。

グローバルリスク研究所の社長兼CEOであるSonia Baxendale氏は、「今こそカナダは、政府、産業界、学術界の垣根を越えて一致団結し、自分たちの力を発揮する時です。私たちは、ステークホルダー、株主、そして将来の世代に対して、前例のない挑戦に立ち向かい、遠い将来ではなく今日、持続可能な低炭素社会を実現するために必要なイノベーションを推進する義務があります。」と述べています。

カナダの金融機関は、国の社会的・経済的活動に資本とレバレッジを提供しています。したがって、金融機関は、気候変動リスクを管理・緩和し、低炭素化の機会を促進するために、その役割を果たすことが必要です。

以下、IPCCの報告書から金融機関が注目すべき5つのポイントを紹介していきます。

  1. カナダはその地理的な位置から、平均よりも大きな気温上昇が予測されています。壊滅的な暴風雨、火災、干ばつが発生した今年、カナダは短期的な炭素排出量の削減を急がなければなりません。
  1. 最近の科学的進歩により、気候リスク評価の解像度が向上し、気候リスク分析のためのデータが充実し、IPCCのネットゼロへの取組が前進しました。
  1. 気候に対する人間の影響が明白になったことで、賠償責任リスクが増大することが予測されます。 
  1. 化石燃料への融資を再生可能エネルギーへと移行しなければなりません。またネットゼロ・ポートフォリオの整合性と気候関連の財務リスクに関する企業の透明性を高める必要があります。
  1. 金融部門は、持続可能な社会作りの一環として、「気候適応金融」を開発する必要があります。海面上昇のような気候変動の大きな影響が確実視される中、その影響を和らげるための適応策、回復力の構築、自然に基づく解決策への投資のために、今後いっそう金融資源が求められることになるでしょう。

参考記事:Five Key Takeaways from IPCC’s New Climate Science Report (marketwirenews.com)

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