適切なカーボンオフセットを目指して、VCMIレポート発行

ボランタリーカーボン市場インテグリティ・イニシアティブ(VCMI)は、7月下旬にグローバルな立ち上げイベントを開催し、コンサルテーション・レポート(VCMIレポート)を発行しました。

VCMIは、カーボンオフセット・クレジット(VCM)の市場を監視するために発足したグローバルな組織です。VCMIレポートは、カーボンオフセット・クレジットとそれに対応する排出削減量を評価するためのガイダンスを提供することを目的としています。

カーボンオフセットとは、ある場所での削減しきれない炭素排出量を、他の場所での削減・吸収活動によって埋め合わせるものです。企業での導入事例など、詳しくは下記の記事をご参照ください。

>>カーボンオフセットとは?事例と用語をわかりやすく解説! (netzeronow.jp)

カーボンオフセットを行うためには、排出削減量を市場売買できる形にしたクレジットの購入が必要です。導入方法やメリットなど、詳しくは下記の記事をご参照ください。

>>J-クレジット制度とは?導入方法やメリットをわかりやすく解説 (netzeronow.jp)

目次

カーボンオフセットの信頼性と透明性を高めるために

カーボンオフセットには、排出削減量を適切に会計処理することが難しく、そのため吸収・削減活動の効果が不明瞭であるという問題があります。

VCMIレポートの目的は、ボランタリー・カーボン・クレジット市場にガイダンスを提供し、これらの批判に対処することで、「気候変動を緩和し、自然を保護し、持続可能な生活を支援する」手段としてのカーボンオフセットをさらに拡大することです。ボランタリー・カーボン・クレジットは、クレジットのなかで民間企業が主導して実施するものを指します。VCSが最もポピュラーなボランタリー・クレジットです。

>>VCSとは?メリットやその他のクレジット制度との比較、企業事例について説明 (netzeronow.jp)

VCMIレポートでは、高潔で高い野心を持った企業の気候変動対策を促進するための10の原則を提案しています。このうち3つの原則は、特にカーボンオフセット・クレジットに関連するものです。

1. スケールアップした行動。VCMIは、企業はバリューチェーンの外、すなわちカーボン・オフセット・クレジットの購入を通じて、気候変動緩和のために大きな投資を行うべきであると指摘しています。

2. 透明性のある行動。VCMIレポートは、民間企業に対し、コミットメントと活動に関連する範囲、境界、カーボン・クレジットの使用について透明性を確保し、進捗状況と学習結果を公に報告すべきである、と奨励している。

3. 集団的で予測可能な行動。VCMIは、企業が炭素市場の気候変動や持続可能な利益を最大化するために、NGOや地元のステークホルダー、コミュニティとのパートナーシップのもと、クレジット活動を調整することを提案しています。

米国の気候に関する大統領特使であるJohn Kerry氏は、上記のVCMIの原則を称賛して以下のように述べています。

「私たちは、VCMIが、信頼性と透明性があり、気温上昇を1.5度に抑えるというパリ協定の目標に沿った方法で、企業が高品質のカーボン・クレジットを利用するための明確な規範に焦点を当てていることを歓迎します。」

VCMIは、VCMIレポートに寄せられたコメントや11月のCOP26での報告を考慮した上で、2021年後半に民間企業の行動に整合性を持たせるための追加ガイドラインを発行する予定です。

参考記事:Voluntary Carbon Markets Integrity Initiative Consultation Report Released – Environment – United States (mondaq.com)

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