気候変動により、コウテイペンギンが絶滅の危機に

bannar

2022年10月25日、アメリカ内務省傘下の魚類野生生物局(FWS)が、世界でもっとも背が高く、もっとも体重の重いペンギンであるコウテイペンギンを絶滅危惧種に指定したと発表しました。気候変動による海氷の融解により、繁殖や外敵から身を守るために必要な生息地が破壊され続けたことを受け、コウテイペンギンが絶滅の危機にさらされています。

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コウテイペンギンを絶滅危惧種に指定

コウテイペンギンは、子育ての大変さから、世界でもっとも過酷な子育てをする鳥としても知られています。環境保護団体である生物多様性センターは2011年、気候変動による海氷の減少により、コウテイペンギンの長期生存が危うくなると主張し、魚類野生生物局に請願しました。その請願を受け、魚類野生生物局は40年にわたる衛星データなどの証拠から、絶滅の可能性について徹底的に検討しました。その結果、コウテイペンギンは現在は絶滅の危機に瀕してはいないものの、気温の上昇によっては絶滅の可能性があると判断されました。

気候変動対策がコウテイペンギン生存のカギとなるか

アメリカ政府によると、すでに気候変動によってコウテイペンギンの繁殖が困難という問題が発生しています。コウテイペンギンの繁殖地として世界で2番目に大きいことで知られるウェッデル海では、数年前から海氷の状態が悪化し、2016年から生まれたばかりのヒナがすべて溺死してしまったことが発表されています。生物多様性センターのシェイ・ウルフ氏は、今すぐ気候変動の原因となる化石燃料を削減し、早急に気候変動に対する対策を講じる必要があると述べました。

1973年に制定された絶滅危惧種保護法は、絶滅の危機に瀕した動物を密漁や生息地の破壊から保護するために作られた法律です。実際、ハクトウワシやコククジラなど、いくつかの動物を絶滅の危機から救い出したと評価されています。しかし、気候変動による気温の上昇は、世界中の生物種に深刻な影響を与えており、年々大きな脅威となっています。コウテイペンギンの生存の可能性は、気候変動によって大きく左右されています。

参考記事:
>>https://www.washingtonpost.com/climate-environment/2022/10/25/emperor-penguins-threatened-extinction-climate/
>>https://dunyanews.tv/en/World/672979–Emperor-penguins-now-a-threatened-species-due-to-climate-change

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