「ICH」の活用でカーボンクレジットの取引を2日で完了?

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カタール航空が、航空業界で始めてクリアリングハウス(ICH)と呼ばれる決済システムを利用してカーボンクレジットの取引をおこないました。

IATA(国際航空運送協会)航空カーボンエクスチェンジ(ACE)は、航空会社やその他の航空関係者が、自社で定めている排出目標を遵守するため、また自主的なカーボンオフセット活動のためにCO2排出削減単位を取引できる市場です。

カーボンクレジットの取引を希望する航空会社は、このカーボンエクスチェンジを通じてICHを利用・クレジットを購入します。このシステムにより、航空会社がカーボンクレジットを購入するためのプロセスが簡素化されるのです。

クレジットを購入することで、排出してしまった温室効果ガスを相殺するカーボンオフセットに取り組むことができます。両者について、詳しくは下記の記事をご参照ください。

>>カーボンオフセットとは?事例と用語をわかりやすく解説!NET ZERO NOW 

>>J-クレジット制度とは?導入方法やメリットをわかりやすく解説|NET ZERO NOW

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ICHの活用で、航空会社のカーボンオフセットをもっと容易に

IATAのマイケル・シュナイダー航空環境部長補佐は、この新しい仕組み・ICHについて次のように説明しています。

「例えば、航空会社Xがオフセットのために3,000万米ドルの取引をするとしましょう。ICHの仕組みがない場合、通常、取引を完了するためには、調達から財務、金融に至るまで多くの人が関わる必要があり、結果として数週間かかることもあります。そうなると炭素価格がその間に変動する恐れがあるため、取引のたびに問題が起こることになりますよね。しかしICHを利用すれば、その時間は2日に短縮され、航空会社にとって安心・安全な仕組みが提供されることになります。さらに、ICHが支払いを保証するため、売り手側の取引も2日という速さでおこなわれるのです。」

ICHを業界で始めて利用したカタール航空、今後の目標は?

この画期的なシステムを航空業界で始めて利用したカタール航空グループ。同グループの最高責任者・アクバル・アル・ベーカー氏は、ICHについて次のように述べています。

「カタール国は、ICAO CORSIA(国際民間空港のためのカーボンオフセット及び削減スキーム)に自発的に参加している国の一つです。そして、我々カタール航空は、航空業界のリーダーとして環境問題に積極的に取り組んでいます。そこでIATA航空カーボンエクスチェンジ(ACE)は、航空会社がCORSIAの対象となる温室効果ガス排出量削減のための投資を可能にし、脱炭素社会に投資するというカタール航空の目標を支援するとともに、当社の財務リスク軽減を可能にするのです。」

脱炭素社会について、詳しくは下記の記事をご参照ください。

>>脱炭素社会とは|低炭素社会・カーボンニュートラルとの違いを簡単に解説|NET ZERO NOW

国際航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム(CORSIA)は、2050年までに炭素排出量をゼロにするという長期目標を達成するための枠組です。航空業界は、ICHを利用することで、手続きを最小限に抑えながらカーボンクレジットを購入することができます。

この仕組みは、すべての航空会社が質の高いカーボンクレジットを購入できる画期的なシステムです。脱炭素社会の形成が叫ばれている今、ICHでの取引が航空業界で浸透するのにそう時間はかからないでしょう。

参考記事
>>How Marelli Will Reach Carbon Neutrality by 2030 (environmentalleader.com)

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