気候変動対策に大きな役割を果たす送電線
気候変動対策というと、ソーラーパネルや風力発電を思い浮かべる人が多いと思いますが、同じくらい重要な要素だと言われているのが送電線です。送電線とは、家庭や学校、職場に電気を運ぶ鉄塔や電線で、私たちが日常的に利用している技術です。再生可能エネルギーを運ぶための送電線を新設・拡張することが近年求められています。
オーストラリアの送電線プロジェクト
12月、オーストラリア全土の主要な気候・環境保護団体が共同声明を発表しました。この声明では、政府や送電会社に対し、安価な風力や太陽光を中心とした、よりクリーンな送電線を迅速かつ公平に実現するよう要請しました。オーストラリア自然保護基金や気候評議会など、多くの団体がこの共同声明に署名しています。
しかし、地域の生息地を破壊することは、可能な限り避けなければなりません。送電会社は、伝統的所有者や自然保護団体から指導を受け、最も破壊の少ない方法を模索する必要があります。それだけではなく、地元の種や生息地を保護するための資金を含め、影響を緩和するための方法も考えなければなりません。
新しい送電線なしにクリーンエネルギーへの移行はあり得ない
エネルギー多消費型の産業や、病院、鉄道、公共サービスなどは、大量の電力を必要とします。また、電気自動車の普及により、エネルギー需要は飛躍的に増加しました。さらに、従来は石油やガスに頼っていた産業も、排出量を削減するために電気を使うようになりました。そのため、太陽光や風力の豊富な地域から電力が必要な場所まで、再生可能エネルギーによる発電を大量に運ぶための、よりクリーンな送電線が必要です。
送電線の建設によってエネルギー転換を支援し、地球温暖化を1.5℃以下に抑えるという国際的な義務を果たすことができれば、私たちの環境、生態系、生物種、地域社会、そして私たちの町や都市を気候変動の脅威から守ることにつながるのです。
参考記事:
>>https://www.merimbulanewsweekly.com.au/story/7552981/theres-no-transition-without-transmission/?cs=1981
>>https://www.climatecouncil.org.au/transmission-joint-statement/