Dow社、カーボンニュートラルなシリコンで建築業界の排出量削減に貢献
米国ミシガン州・ミッドランドに拠点を置き科学素材や特殊化学品を扱う企業Dow社から、建築業界の排出量削減を支援するための、カーボンニュートラルなシリコンの開発プロジェクトが発表されました。このシリコンは、構造用グレージング、断熱ガラス、ウェザーシールに使用されるものです。
シリコンは建築業界のネットゼロ達成に適した素材?
建設業界の環境保全を目指し開催されるワールド・グリーン・ビルディング評議会によると、建築業界は世界の炭素排出量の約39%を占めているようです。同協議会は近年、「カーボンゼロ・ビルズ・コミットメント」を更新し、建設業界に対して、ネットゼロ目標への投資と、持続可能な建設・ビル運営の実践を訴えています。
このように建設業界の環境保全が必要とされている今、Dow社の新しいシリコンには大きな期待がかかります。Dow社によれば、このシリコンは長期的な使用が可能であり、またカーボンフットプリントが小さいため、これを用いることで従来のものと比べ排出量を削減したエネルギー性能の高い建物を建設することができるというのです。
カーボンフットプリントとは、製品やサービスの原料調達から廃棄までの一連のライフサイクルからのCO2排出量のことです。詳しくは下記の記事をご参照ください。
今後、すべての建設事業で炭素を削減するために
「カーボンゼロ・ビルズ・コミットメント」では、企業やあらゆる組織は2023年までに、すべての新しい建物や大規模な改築に、エネルギー効率が良いこと、再生可能エネルギーを使用していること、二酸化炭素排出量を最大限に削減していることを表明するよう求めています。
Dow社によると、プレハブのファサード部品やガラス断熱材などは、エネルギー使用量が少なく、また50年以上の耐久性があるため建物のエネルギー効率の向上に貢献していると言います。ここで用いられるシリコーンシーラントは、断熱クラスの製造に必要とされるエネルギーの最大20倍を節約することができるのです。
Dow社の製品は、国際的なグリーンビルディング認証に貢献できるとしており、それぞれの製品には、製品の生涯にわたる影響についての情報と透明性を提供する環境製品宣言が付けられます。このような製品が普及すれば、建築業界のネットゼロ達成に大きく近づくことができるでしょう。
ダウは2022年にこの材料を商業的にリリースする予定です。
参考記事
>>Carbon Neutral Silicone to Reduce Emissions in Building Industry (environmentalleader.com)