EAC(Energy Attribute Certificate)とは?購入の目的とメリットを解説

bannar

EACとは、Energy Attribute Certificateの略で、エネルギー属性証明書を意味します。1メガワット(MWh)時の電力が持つ、発電方法やエネルギー源などの環境属性に関する情報を提供する証書です。企業が再生可能エネルギー源から電力を購入しているのを主張をする際に効果を発揮します。本記事ではEAC(エネルギー属性証明書)とはなにか、目的やメリット、日本で購入可能なEAC(エネルギー属性証明書)について詳しく解説します。

目次

EAC(エネルギー属性証明書)とは?

EAC(エネルギー属性証明書)とは、企業が再生可能エネルギー源から電力を購入していることを証明する公式の文書です。風力発電や太陽光発電、水力発電などの発電事業者は、発電時に炭素を一切排出しない電気を生産しています。EACでは、その電気を再生可能エネルギーとして表示しています。

EAC(エネルギー属性証明書)の内容

EACには、1メガワット時の電力が持つ、発電方法やエネルギー源などの環境属性に関する情報が書かれています。特に、発電所の種類(水力発電所、風力発電所、太陽光発電所など)や発電装置の試運転日など、生産された電力に関する情報を提供します。

代表的なEAC(エネルギー属性証明書)の種類

再生可能エネルギーの使用を主張する際に使われるEACですが、世界にはいくつかの種類があります。ここでは代表的な3種類を紹介します。

  • GO

EUでは、加盟国に対して消費者が発電方法などの電力に関する情報を把握できるようにするため、トラッキングシステムの構築を義務付けています。GO(Guarantee of Origin/原産地証明)は、これらのシステム下で発行される公式の証書で、EU加盟国の他にノルウェーやスイスなども使用しています。

  • REC

REC(Renewable Energy Certificate/グリーン電力証書)とは、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギー(グリーン電力)が持つ「環境価値」を「証書」として取引を行うという仕組みです。アメリカやカナダなど、北米で使用されています。

  • I-REC

I-REC(International Renewable Energy Certificate/海外の再エネ電力証書)とは、各国のグリーン電力証書を国際的に認定するシステムであり、第三者の立場から認証しているため、信頼性が高いことで注目を浴びています。I-RECは、GOとRECの対象国以外を対象としています。

EAC(エネルギー属性証明書)の目的

本章では、EAC(エネルギー属性証明書)の目的について詳しく説明していきます。

再生可能エネルギー発電による電力の証明のため

EACは、企業が再生可能エネルギー源からエネルギーを購入しているという信頼できる証明をするために不可欠です。再生可能エネルギー発電による電力であるという証明は、プラスの市場価値を持ちます。

Scope2排出量の削減を報告するため

Scope2とは、自社が所有する設備や中心となっている事業活動での、エネルギー使用にともなう間接的なCO2排出を指します。風力発電や太陽光発電、バイオマス発電などの発電事業者は、発電時に炭素を一切排出しない電気を生産します。EACは、その電力を再生可能エネルギーとして表示するため、企業はScope2排出量の削減を報告することができます。

企業がEAC(エネルギー属性証明書)を購入するメリット

企業によるEACの購入には、大きなメリットが存在します。本章では、EAC購入のメリットについて詳しく説明していきます。

長期契約せずに購入できる

EACの購入には、PPA(電力購入契約)や自家発電とは違い、長期的な契約や高額の費用を必要としません。例えば、PPAでは、多くの場合が10年以上の長期契約となります。また、EACは取引も非常にシンプルなため、容易に取り組むことが可能です。

環境保護への貢献をPRできる

EACの購入は、環境保護への貢献を可能にします。EACが広まることは、再生可能エネルギーの普及に繋がるため、地球温暖化の抑制や化石燃料の消費削減などにも役立ちます。また、再生可能エネルギー源から電力を購入しているということは、環境意識の高い企業であるとアピールできるため、企業イメージ向上を実現するのです。

CDP・SBT・RE100の報告書に記載できる

EACの購入は、CDP・SBT・RE100などの、国際的なイニシアチブの各環境報告書に記載が可能です。

日本で購入可能なEAC

日本では、4種類のEACを購入することができます。本章では、各証明書について詳しく説明していきます。

REC(グリーン電力証書)

REC(Renewable Energy Certification System/グリーン電力証書)とは、太陽光やバイオマスなどの再生可能エネルギー(グリーン電力)が持つ「環境価値」を「証書」として取引を行うという仕組みです。アメリカやカナダなど、北米で使用されています。

I-REC(海外再エネ電力証書)

I-REC(International Renewable Energy Certificate/海外の再エネ電力証書)とは、各国のグリーン電力証書を国際的に認定するシステムであり、第三者の立場から認証しているため、信頼性が高いことで注目を浴びています。I-RECは、GOとRECの対象国以外を対象としています。

非化石証明書

非化石証書とは、非化石電源(石炭や天然ガスなどの、化石燃料を使わない発電方法)により作られた電力から環境価値を切り離し、証書としたもののことを指します。

J-クレジット

J-クレジットとは、再生可能エネルギーの活用や省エネ設備の導入などCO2削減量や森林管理によるCO2吸収量を、「クレジット」として、国が認証する制度です。

まとめ|EAC(エネルギー属性証明書)の導入検討を

脱炭素社会実現のためには、再生可能エネルギーの利用は欠かせません。世界中で広く浸透が進んでいるEACを活用することで、環境保護への貢献に取り組んでみてはいかがでしょうか。

またこのwebメディアを運営している、PROINSO JAPANでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。

この記事をSNSでシェア
目次
閉じる