Microsoft、気候変動に関する情報開示をSECに提出

bannar

マイクロソフトは、米国証券取引委員会(SEC)に気候変動に関する情報開示についてのコメントを提出しました。この提出は、SECへの申請により、気候変動への取組に関する情報を投資家にアピールするという目的に基づきます。

マイクロソフト社では、事業活動による温室効果ガス排出量、もしくは削減量を信頼性の高い方法で測定する「カーボンアカウンティング」を重視しています。企業にとって、なぜこのカーボンアカウンティングが必要なのでしょうか。

カーボンアカウンティングがなぜ重要か?

カーボンアカウンティングは、低炭素社会実現の初期段階では欠かせないものです。全員が同じ方法で炭素排出量を測定しなければ、目標の策定や事業報告など互いに話をすり合わせる際に混乱を招き、最終的には進歩のペースを誤魔化すことになりかねないためです。

世界中で、炭素排出量を正確かつ一貫性のある信頼性の高い方法を用いて測定することが重要になります。

低炭素社会とは、経済活動や日常生活における環境配慮によって実現する、温室効果ガス排出量の少ない社会のことです。詳しくは下記の記事をご参照ください。

正確なカーボンアカウンティングは、共通の会計基準と、企業や非営利団体、政府による炭素排出量の公表を結びつけることで初めて効力のあるものになります。炭素排出量の報告は、投資家、顧客、寄付者、市民など、これらすべての団体のステークホルダーにとって重要なものとなっているのです。

炭素排出量削減は大きな投資機会になる

ブラックロックのCEOであるラリー・フィンクは、「我々は、気候変動リスクが投資リスクであることを知っています。しかし、私たちは、気候変動は歴史的な投資機会であると信じているのです。」と述べています。実際、大規模な基金を持つ大学やその他の主要な機関投資家が、上場企業の炭素排出量の実績を投資判断に反映させたいと考えるケースが増えています。

金融における通貨、エネルギーにおけるキロワットアワー、食品におけるカロリーなど、あらゆる分野において普及している正確な測定基準があるように、排出量の正確な測定は将来基本となるでしょう。個人消費者は、現在の食品の栄養成分のように、二酸化炭素の排出量に基づいて製品を選ぶことができるようになります。また、大小の投資家は、炭素排出量を投資判断に反映できるようになるのです。

すべての人がこれらの要素に基づいて投資や購入の意思決定をするわけではありません。しかし、誰もが選択できるようになります。そして、この情報はすでに、急速に拡大している投資家グループにとって重要なものとなっています。

参考記事:Microsoft submits comments to SEC on climate change disclosure (finextra.com)

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