オーストラリアの屋根型太陽光発電業界に激震、劣悪な発電装置を一掃するための提言
オーストラリアの屋根型太陽光発電業界に大きな変化が訪れようとしています。悪質な事業者を排除するため、クリーン・エネルギー監督庁が13の提言を行ったのです。
ちょうど1年前、Angus Taylor連邦エネルギー排出削減大臣は、クリーン・エネルギー規制機関(CER)に対し、オーストラリアの屋根置き型太陽光発電部門について、オーストラリアで人気の高い太陽光発電の割り戻しを提供する仕組みである、小規模再生可能エネルギー制度(SRES)に関連した見直しを行うよう要請しました。
このたび、その結果が発表されました。その中には、連邦政府が支持している提言も含まれています。
クリーンエネルギー監督庁の提言の内容とは?
これまでクリーンエネルギー協議会(CEC)が担当していた設置業者や太陽電池部品の適格性要件の設定は、クリーンエネルギー監督庁が担当することになりました。
CECのような業界団体は、規制当局への説明責任を果たしながら、設置業者の認定や部品のリスト化を管理することができますが、その役割を誰が担うかは、今後の議論の対象となります。
主な提言には、まず設置業者、太陽電池販売業者、製造業者に対する新たな報告義務の導入が含まれます。例えば、太陽光発電の小売業者は、設置されたシステムが購入者に提示された見積書や契約書と同じ性能であることを示す報告書を提出することが求められます。
また、BNPL(Buy Now, Pay Later)スキームの継続的な監視も重要です。太陽光発電システムの購入者に対して、契約書にサインする前に、十分な調査を行い複数の見積もりを取るように促すキャンペーンを開始します。
Taylor大臣はどう考える?
オーストラリアのTaylor大臣は、報告書を歓迎し、13の提言のうち12の提言に同意するが残り1つの提言についてはすでに進行中の作業であると述べました。
また、Taylor大臣は次のように述べています。
「今回提言された規制の強化は、SRESの下で設置された屋根型太陽光発電システムが、スキームの下で支払われたインセンティブの価値や消費者の期待に沿ったものであることを保証するのに役立ちます。提言された改革は、悪徳な太陽電池設置業者、小売業者、製造業者が責任を負うことができるようにします。」
さらに、CECの最高責任者であるKane Thornton氏は、「連邦政府による規制とコンプライアンスに対するより積極的なアプローチは良い前進です。業界がCERと密接に協力して、業界の規制の枠組みを改善していくことを期待しています。」と述べました。
悪質な業者は、全体として何千件もの質の低い設置を行っています。今回の報告書の発表には、これらの企業にとって早急に行動を起こすための一撃として認識されることが期待されるでしょう。
また、これまでとは異なり、不適格な小売業者の取締役やオーナーが新会社を設立しようとした場合、規制当局は新会社を不適格リストに加える権限を持つことになります。
オーストラリアでは、ついにガラクタ太陽発電装置に終止符が打たれようとしているのかもしれません。
参考記事:Shakeup For The Australian Rooftop Solar Power Industry (solarquotes.com.au)