ジョンソンコントロールズ社、業界初の5億ドル規模のサステナビリティ連動型社債を発行

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スマートで健康的、かつ持続可能な建物の世界的リーダーであるジョンソンコントロールズ社(NYSE: JCI)は、5億ドルの10年シニアノートを発行する初のサステナビリティ・リンク債(環境目標の達成状況に応じて利払いが変動する債券)の募集を完了し、サステナブルファイナンスにおけるリーダーシップをさらに強化しました。サステイナブルファイナンスフレームワークの発表とサステイナビリティ・リンク債の発行は、ジョンソンコントロールズにとって2つの新たな気候変動対策のマイルストーンとなり、S&P500の銘柄に含まれる企業としては初の快挙となりました。

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ジョンソン・コントロールズ社が炭素削減に向けた金融市場構築に果たした、大きな役割とは

2021年1月、ジョンソンコントロールズは、Science Based Targets Initiative(SBT)に承認された新しい環境目標を採用しました。2030年までに業務上の排出量を55%削減し、顧客の排出量を16%削減するというものです。これらのコミットメントに基づき、同社は、これらの環境目標の達成度に債券の金利を連動させる「サステナビリティ・リンク債」を発行しました。これは、ジョンソンコントロールズが、2025年9月16日までにスコープ1+2およびスコープ3の炭素排出量削減の暫定目標を達成できなかった場合、債券投資家に高い金利を支払うことを意味します。

SBTとは、加盟している企業に温室効果ガス削減目標の設定を求める国際イニシアチブの1つです。また、スコープ1,2,3は、事業活動を3つに分けてSBTの削減対象を表します。詳しくは下記の記事をご参照ください。

ジョンソンコントロールズ社の会長兼CEOであるジョージ・オリバー氏は、「科学的に必要とされている量の炭素削減を達成するためには、年間1~2兆ドルの追加投資が必要です。政府だけではこのような巨額の資金を動員することはできません。そのため、民間セクターの投資を促進する必要があります。ここで持続可能な金融市場を構築することは必須であり、また、脱炭素化を効果的に促進する事業に資金が流れるよう最高水準の基準を満たすことも重要です。持続可能な金融への継続的なコミットメントと積極的な持続可能性目標により、当社はこの分野でリーダーシップを発揮します。」と述べています。

ジョンソンコントロールズは、上記のフレームワークを採用することで、従来よりも幅広いサステナブルファイナンスの活用を可能にし、サステナビリティにリンクした社債やローンの発行を実現しました。これは、同社が負債による資金調達を通じてESGインパクトを促進し、温室効果ガス排出量の削減に向けたコミットメントをさらに強化したいという意向を示しています。ESG評価や調査を行う蘭国企業、サステナリティクスは、同社のフレームワークに対して、信頼性が高く、インパクトがあると評価しました。さらに、同社の主要業績評価指標(KPI)は最高位の「非常に強力」となり、持続可能な業績目標(SPT)については「野心的」から「非常に野心的」に昇格しています。サステナブルファイナンス・フレームワークは、ジョンソンコントロールズ・コーポレート・サステナビリティのウェブサイトで公開されています。

エネルギー使用の効率化やデジタルプラットフォームの強化で、持続可能な建物を

ジョンソン・コントロールズ社の副社長兼サステナビリティ担当責任者であるケイティ・マッギンティ氏は、「今回の評価は、ジョンソン・コントロールズ社がゼロエミッションの分野で主導的な役割を果たしていることを示すものです。温室効果ガス排出量の40%を占める建物からの二酸化炭素排出量を削減することは、気候変動に対処する上で非常に重要です。また、グリーンファイナンスの収益の30%以上が持続可能な建物プロジェクトに充てられると分析されています。ジョンソンコントロールズのOpenBlueデジタルプラットフォームとビル最適化サービスは、エネルギー効率を50%以上向上させ、それに伴う二酸化炭素排出量の削減を可能にします。」と述べています。

参考記事:Johnson Controls Issues First $500 Million Sustainability-Linked Bond | 2021-09-16 | Press Releases | Stockhouse

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