米ターゲット2040年までにネットゼロ達成を宣言

bannar

6月22日、米国の大手ディスカウントチェーンであるターゲット社は、2040年までにネットゼロを実現すると発表しました。消費者の環境問題への関心の高まりを受けて、同年までに全ての商品・サービスを環境負荷の低いものに移行する計画です。
ターゲット社は、これまでにも、2017年を基準として2030年までにすべての範囲で実質的な排出量を30%削減するという計画を定めていました。
しかし、パリ協定の合意内容の1つである気温上昇を1.5℃までに抑える目標の達成には、2030年までに排出量を半減させ、遅くとも2050年までに排出量をゼロにすることが必要であることから、この計画を強化することを表明したのです。

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具体的な計画内容は?パッケージやリサイクルに着目

「Target Forward」と名付けられた新しいプロジェクトには、廃棄物の埋め立ての停止や、すべての自社ブランド製品とパッケージを再生利用可能なものに移行することなどが含まれています。
具体的には、リサイクル不可能な素材の使用を中止し、すべての商品を持続可能なものにする計画です。また、製品の耐久性も向上させます。
また、2025年には、自社ブランドのパッケージに使用されているプラスチックの総量を20%削減するという新たな目標を掲げています。

排出量に関する数値目標、自然エネルギーがカギに

排出量の削減に関しては、2017年を基準として2030年までに、事業における直接排出量及び電力関連の排出量を半減させることを目指しています。また、2025年までに事業活動で消費する電力の60%を自然エネルギーで賄い、2030年までに100%にすることを最近新たに約束しました。

電力は、自家発電、電力購入契約(PPA)、再生可能エネルギーの組み合わせで賄います。ターゲット社の現在の電力消費量は、約50%が再生可能エネルギーによるものです。
(電力購入契約(PPA)とは、発電事業者と顧客間の相対契約です。需要家が敷地を提供し、事業者が敷地内で発電設備の設置・運用を行うもので、主に自然エネルギー発電が対象となります。)
また、間接排出とは商品とサービスの使用からの排出量を指しますが、これはターゲット社の排出量の内訳で最も大きい割合を占めています。間接排出に関する目標は、2017年から2030年の間に30%削減することです。

ビジネスと環境保全の両立に向けて

ターゲット社のブライアン・コーネル会長はこのプロジェクトについて次のように述べています。
「ビジネスと健全な地球環境を維持するためには、取組を前進させるための新たな方法を取り入れることが不可欠です。

〜中略〜

『Target Forward』は、当社のビジネスの隅々にまで影響を与え、パートナーとの協力関係を深めるでしょう。そしてこの計画は、これまで当社が次世代のためにより良い未来を確保するために努めてきた成果を基礎としています。」
企業が環境保全に向けて取り組むことは、社会貢献に留まらず企業自体にも信用獲得などのメリットがあるのです。持続可能な社会の構築に際し、ターゲット社のような取組は今後より重要になってくるでしょう。

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