イギリス、エネルギーシステムを管理する新たな組織の立ち上げを発表
イギリス政府は2022年4月2日、エネルギーシステムを管理する新しい公的機関を設立することを発表しました。この新たな組織は、Future System Operator(FSO)と呼ばれ、イギリスのエネルギー供給の安定性を高め、クリーンなエネルギーが国中の家庭や企業に行き渡るようにすることを目的としています。
新技術を既存のネットワークに統合
イギリスは、2050年までにCO2排出量ゼロを達成することを目指しています。この目標を達成するには、電気自動車の普及や再生可能エネルギーの増加などの取り組みが必要となりますが、未だ天然ガスや石炭などの化石燃料に依存しているのが現状です。
そこで、このネットゼロ目標の達成の後押しをするために、イギリス政府はFuture System Operator(FSO)を設立することを発表しました。FSOでは、電力、ガス、炭素の回収・利用・貯蔵などの新興市場や、洋上風力発電などに取り組む予定です。
さらに、イギリス政府のエネルギー規制当局であるOfgemに対して、主要な戦略的政策決定に役立つアドバイスや技術的な情報を提供する義務も負うことになります。
ロシアのウクライナ侵攻も影響か
また、この新しい組織の設立は、ロシアによるウクライナへの侵攻も関係しているといいます。ロシアのウクライナ侵攻を受け、イギリス政府は国内のエネルギー供給を増やし、エネルギーコストを抑制する方法を示すエネルギー安全保障戦略の発表を2022年の4月中に予定しています。
イギリスのエネルギー大臣であるグレッグ・ハンズは次のように述べています。
「世界のガス価格が高騰するなか、ロシアがウクライナへ侵攻をおこなったことで、イギリスのエネルギーシステムの変革が重要であることが示されました。私たちは、エネルギー供給の安定性を高め、高価な輸入品への依存度を下げ、排出量を削減する必要があります。FSOはまさにそれを実現するものです」
新たな組織であるFSOによって、イギリスのエネルギーシステムを変革し、安全で低炭素・低コストのシステムに移行することが期待されています。
参考記事
>>https://uk.finance.yahoo.com/news/britain-launch-public-system-operator-074137516.html?guccounter=1&guce_referrer=aHR0cHM6Ly9hcHAubWVsdHdhdGVyLmNvbS8&guce_referrer_sig=AQAAALMDTqX84gmJ8PcNuBIXYg3jIfCKReypdIX06qQ0bNeQ_DdvP0-YfA1Z-fE9-OCTpYLK3yuk16im3KXcJ9rfbdwjll47YUdhpKNPdl57TGh11Z2NhzfRq0gXWuQK7phubIldh9XxiLDhpcvI0a0UqU_ip0GqBK4zW7kGL3EVcjMC
>>https://renews.biz/77028/uk-launches-new-body-to-oversee-uk-energy-system/