ネットゼロ達成にはさらに4倍の風力発電設備が必要

bannar

世界風力会議(GWEC:Global Wind Energy Council)の新しい報告書によると、2021年は世界の風力発電産業の成長率が過去2番目に高い年でしたが、世界でネットゼロ目標を達成するためには、今後風力発電設備を劇的に増やす必要があることがわかりました。

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過去2番目に高い成長

2021年の新規風力発電の設備容量は約94ギガワットを記録し、2020年に次ぐ成長を遂げたことをGWECが2022年4月4日に報告しました。設備容量とは、発電所で100%の出力を発揮したときの電力量のことを指します。

特に、洋上風力発電の成長率は過去最高を記録し、21.1ギガワットが試運転されました。これは2020年の3倍に相当します。陸上風力発電では、世界最大の風力発電市場をもつ中国とアメリカが伸び悩んだものの、ヨーロッパ、中南米、アフリカおよび中東では、新規陸上風力発電の導入量がそれぞれ19%、27%、120%増加しました。

ネットゼロへの懸念

しかし、GWECの報告書はデータと並行して警告を発し、生産能力の大幅な引き上げが求められています。国連によると、地球温暖化を1.5℃以下に抑えるためには、2030年までにCO2排出量を45%削減し、2050年までにネットゼロにする必要があるとわかりました。

現在の設置率では、地球温暖化を1.5℃に制限し、2030年までに正味ゼロを達成するために必要な風力エネルギー容量の3分の2未満になることを警告しています。ヨーロッパ、中南米、アフリカ、中東では風力発電の導入量が過去最高を記録したにもかかわらず、世界がネットゼロ目標を達成するには、2030年までに2021年の94ギガワットから4倍増やす必要があると発表しました。

GWECのCEOであるベン・バックウェルは、「風力発電産業が、ネットゼロの達成とエネルギー安全保障の実現に必要なレベルまで成長するには、世界中の政策決定において、より積極的で新しいアプローチが必要になる」と述べています。
また、ロシアのウクライナ侵攻は、「化石燃料の輸入に依存することが、エネルギー安全保障に与える影響を露呈した」と指摘し、自然エネルギーへの移行を進める必要があるとしています。

風力発電産業は成長を続けていますが、ネットゼロ目標達成のためには、今後のさらなる成長が期待されます。

参考記事
>>https://www.energymonitor.ai/tech/renewables/wind-installations-must-quadruple-for-net-zero-gwec
>>https://www.cnbc.com/2022/04/05/wind-energy-installations-must-quadruple-to-hit-net-zero-goals-gwec.html

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