NET ZERO NOW公開の背景:COPから歩んだオフセットへの道
みなさん、こんにちは。株式会社ECOLOGICAの代表を勤めている伊集院です。
前回は私が「どのように環境問題に取り組んできたのか」 「COPに参加して気づかされた、日本が取り残されているという事実」についてお伝えしました。
そこから今回、自分はどのように貢献していけば良いのかという話に移ります。
ネットゼロへの取り組みや「削減+オフセット」を取り組んでいくことの必要性について、弊社が「削減+オフセット」を試みた経験を含めてお話しさせていただければと思います。
COPから見えた目指すべき道
日本が世界から取り残され、不買運動がもし世界規模で始まったらどうなってしまうのか?
私の危惧が増す中で、何かで日本の環境問題に貢献したいと常日頃から考えていました。
そして私が貢献できる道を示してくれたのが、COPへの参加が大きく関わっています。
私がCOPに参加した2018年前後は、日本全体で、環境トピックに対して関心は高くない。どのステークホルダーも「気づいていない」という状態でした。
裏腹に、COPは世界トップ水準の情報密度や関心度を誇り、私に大きな刺激を与えてくれました。
「緊迫や緊張」をひりひりと感じる。ときには涙を流すほど圧倒される場面もあった程でした。
さらに大きな収穫は、COPに参加している企業の中で「net zero」を体現してくれる会社を見つけ分析することができたことです。
そこで気づけたことは、
・CO2の排出量を自分で理解する。
・削減努力の種類を把握。
・カーボンオフセットを理解する。
どうしてもReduceだけでは、環境問題を解決することはできないと思います。
だからこそ、ReduceとOffsetがとても大事。その「net zero」を形にしてくれる道しるべを得たのです。
まずは、自分の会社からオフセットへ
そのOffsetとはなんなのでしょう?一言でいうと、CO2排出に逆効果があるものを行うということ。
例えば、植林活動を行うことや森林保護(ブラジルやアフリカなどでの森林伐採をとめること)など排出に反対する活動であるものです。
まず自分の会社をネットゼロにすることによって、自分が通ってきた道を他の会社も導くことができると考えました。
そこで、まずはメジャーメント(測定)から始めていきました。
例えば、私はビジネスでの出張が多いのですが、その際の渡航の情報も全て詳しく入力しました。
どこの空港からどこの空港まで飛んだのか?
ちなみに面白いことに、エコノミー、ビジネスクラスなどでもCO2排出量の計算は変わってくるんです。
他にも以下のような測定項目があります。
・会社としてゴミをどれくらい出しているのか
・毎週ペットボトルや紙類をどれだけ捨てているのか
・各国からの船便輸入輸送コンテナ調査、航空便輸送調査、距離や量など
・国内での輸送状況
上記の他にも、約8,000項目もの測定方法がある中で、1つ1つの測定を細かく行っていったのです。
数多くの弛まぬ測定努力とともに、温室効果ガス削減努力ももちろん行いました。しかし、削減には限度があります。
例えば、「暑い中でエアコンを使わずに団扇うちわだけを利用しろ」「通勤通学には自転車を利用しろ」このように言われたとえしても、限度があります。
だからこそ、削減だけではなく環境への投資が必要となるのです。
オフセットに向けて
私は、削減だけでは不足している部分を補うために、森林と再生可能エネルギーに対して投資を行いました。
国連が推奨している削減プロジェクトから発行されているカーボンクレジットに投資を行い、実際にカーボンオフセットを行いました。
そうすることによって、国連によりネットゼロを達成することができたのです。ここがクライメイトニュートラルナウのロゴを使うことができた契機になっているのです。
前回の記事でもお話しした通りに(NET ZERO NOWの背景4:「日本人ほど環境問題に向いている国民はいない」日本人がもつ多大な可能性 | NET ZERO NOW)、日本の企業としては、ソニーに次いで2番目にクライメイトニュートラルナウでのネットゼロを達成することができました。
それは凄いものではなく、私ができたことは必ず周りにもできる。そして、他の企業も助けられると考えています。
少しでも民間企業でできることを広めていき、日本に貢献していく。私がこの活動を通して成し遂げたい1つの目標になっています。