アストンマーティン、ネットゼロ戦略を発表ー2030年までの達成を目指す
イギリスの高級自動車メーカー「アストンマーティン」は、2022年4月22日に新しいサステナビリティ戦略を発表しました。2030年までに事業所から排出される温室効果ガスを正味ゼロにし、2039年までにはサプライチェーン全体での温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすることを目指します。
持続可能な社会に向けた新たなロードマップの発表
この戦略は「Racing.Green.」と呼ばれ、2022年度のアースデイ(地球や環境について考える日)に発表されました。事業所でのネットゼロに加え、2030年までにサプライチェーン全体での温室効果ガス排出量を2020年度比で30%削減し、2039年までに実質ゼロにすることを目標としています。
また、アストンマーティンは気候変動に積極的に取り組む企業の一員として、SBT(Science Based Targets)のメンバーに加わりました。SBTとは、科学的根拠に基づいて温室効果ガスの削減目標を設定することを求める国際イニシアチブの一つです。
同社では、これまでもネットゼロに向けた試みを多くおこなってきました。2019年以降イギリスの事業所全体での再生可能エネルギーの100%使用や、2020年から2021年にかけてイギリスでの事業活動に起因するCO2排出量の44%削減を達成しています。さらに今回、ウェールズ州のセント・アサンに14,000枚のソーラーパネルの設置を計画しており、これにより年間の電力需要の20%を補う予定です。また排出量削減のほかにもプラスチック包装廃棄物の廃止、水の消費量の15%削減や、持続可能な素材の最大限の使用などの取り組みをおこなう予定です。
完全電動化へ
今回発表された戦略では電動化についての道筋も示されています。
2024年初頭には同社初のプラグインハイブリッド車(PHEV)となるミッドエンジン・スーパーカー「Valhalla(ヴァルハラ)」の納車を開始する予定です。さらに同社初のバッテリー式電気自動車(BEV)の発売は2025年を目指しており、2026年までには全ての新しい製品ラインナップにハイブリッド使用が追加されることとなっています。そして、2030年までに主力のスポーツカーとSUV全体を完全に電動化することを計画しています。
アストンマーティンCEOのトビアス・ムアースは、次のように述べました。
「社会を代表するチームとして環境負荷を低減し、責任ある製品を誇りを持って生産しています。私たちが事業を展開する地域社会に積極的に貢献することで、ビジネス全体で持続可能性の原則を推進する必要があると考えています」
参考記事
>>https://www.edie.net/aston-martin-charts-path-to-net-zero-operations-and-supply-chain/
>>https://www.timesmotors.com/index.php/2022/04/23/aston-martin-announces-ambitious-sustainability-strategy-to-be-net-zero-by-2030/