カナダ放送協会、メディア作品にカーボンフットプリントを設定
カナダ放送協会(CBC)は、カナダのメディア業界における持続可能な開発を推進するために、カナダ英語のオリジナル作品にカーボンフットプリントを導入することを発表しました。
東京オリンピックでも使用された排出量計算ツール「albert」
CBCは11月17日、2022年1月3日より、予算40万ドル以上の独立系プロデューサーによる事業は、制作時の二酸化炭素排出量を計算する映画・テレビ業界のツール「albert」が定める二酸化炭素排出量の基準を満たす必要があると発表しました。
CBCは昨春、トロントで撮影されたCBCキッズの自社制作番組「Gary’s Magic Fort」で初めてalbertを使用し、その後も「Family Feud Canada」、「Marketplace」、また2020年東京オリンピックなどで使用しています。
インディーズプロダクションへの支援やバーチャル旅行の推進によって、持続可能なメディアを
CBCは、インディーズプロダクションのカーボンフットプリント作成をサポートする「Environmental Sustainability Lead」を新たに採用するとともに、カナダオーディオビジュアル認証局(CAVCO)およびカナダメディアプロデューサー協会(MPA)と提携し、プロダクションの緑化に関する3つのビデオトレーニングを実施する予定です。
また、予算が40万ドル以下のカナダのインディーズプロダクションで、カーボンフットプリントの完成が難しい事業者のために、プロジェクトをより環境的に持続可能なものにするためのガイドとしてテンプレートを作成しました。
さらにCBCの持続可能性の目標に役立つ可能性があるのが、トロントのImmersion Room、William F. White Internationalが運営するトロントのStage 6、バンクーバーのVersatile Mediaのようなバーチャルスタジオの登場です。これらのスタジオではVRとARのオプションを提供しており、これらを用いたバーチャル旅行によって二酸化炭素排出量を大幅に削減することができます。
CBCのバーバラ・ウィリアムズ副社長は、声明文の中で「気候変動は私たちが生きている間の課題であり、今こそ行動を起こす時です。人間の活動による気候への影響がますます大きくなる中、CBCのビジネスのあらゆる側面について、環境という視点からの判断が求められています。」と述べています。
参考記事
>>Realscreen » Archive » CBC sets carbon footprint for original productions