フリマサイト運営企業Depop、気候変動に配慮した企業として認証を受ける
古着やユニークなファッションアイテムで近年若者に人気のフリマサイト「Depop」。このサイトを運営するDepop社が、気候変動に配慮した企業として認証を受けました。企業に気候変動対策を求める流れが加速するなか、同社は今後も持続可能性への取り組みを拡大していくと約束しています。
カーボンオフセット事業やテレワークの促進等、Depopの積極的な環境経営とは
環境経営は、環境保全と利益確保を両立し好循環を生み出すための経営手法の一種です。詳しくは下記の記事をご参照ください。
ロンドンに本社を置くソーシャルeコマース企業Depopは、サウスポール社と提携し、ジンバブエでの森林破壊を防ぐ「カリバ森林保護プロジェクト」と、トルコでの化石燃料への依存を減らす「ドラII地熱プログラム」の2つのプロジェクトを通じて、排出量を測定し、カーボンオフセットを行いました。
カーボンオフセットとは、自身が排出した炭素を別の場所での炭素吸収事業によって埋め合わせるという考え方のことです。詳しくは下記の記事をご参照ください。
Depopは、オフィスやクラウドサービス、全従業員の在宅勤務など、スコープ1から3までのすべての炭素排出をオフセットすることに成功し、気候ニュートラル企業として認定されました。この認証は、スイスのカーボンクレジット開発・販売企業であるSouth Poleによって発行されたものです。
なお、デポップ社の気候ニュートラル認証は、パッケージ製造や消費者の使用を考慮したスコープ3の排出は対象としていません。こちらは以下に述べる通り今後の課題となります。
さらなる努力を誓うDepop社
クライメートニュートラルを達成したDepopは、次はネットゼロを目指します。これは、パッケージや商品の使用に関するスコープ3の排出量を削減し、サプライチェーン全体のフットプリントを考慮することを意味します。
ネットゼロは、炭素の実質的な排出量をゼロにすることです。ゼロカーボンとも呼称されます。詳しくは下記の記事をご参照ください。
そのためにDepop社は、英国政府が支援するネットゼロを目指す企業連合「TechZero Taskforce」に参加しました。この連合には、食品製造企業のAllplants、フィンテック企業のRevolut、公共交通機関アプリのCitymapper、食品廃棄物処理プラットフォームのOlioなどが名を連ねています。
Depop社のサステナビリティ部門の代表であるJustine Porterie氏は、「私たちは、野心的な目標を設定し、結果を出すことと継続することに努力を惜しまないことを信条としています。このマイルストーンを達成した今、私たちはネットゼロに焦点を当てていきます。」と述べました。
消費者の環境への意識が高まっている今、環境経営は必須
Depop社が環境への配慮を強化しているのは、企業が気候変動に対する責任を問われているためです。Depop社やThredUp社のように、すでにZ世代の若者に人気がある企業でも、意識の高い消費者の支持を得るために、継続的にその取り組みを証明しなければなりません。
新しいEコマース・ショッパーの出現に焦点を当てたある最近のレポートによると、消費者はオンラインで購入したものも含めて、自分が購入したものの足跡をますます意識するようになっています。消費者はすぐにオンラインショッピングをやめるつもりはないが、66%はカーボンニュートラルな配送を提供するプラットフォームを望んでいると答えたのです。
また、別の調査では、買い物客の86%が、気候変動や社会正義といった地球規模の問題を解決するために、企業が環境に配慮することを期待していることがわかりました。
参考記事
>>Vintage Resale Fashion Leader Depop Becomes Climate Neutral (greenqueen.com.hk)