DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入がゼロカーボン達成のカギとなる?
ここ数年、あらゆる規模の企業にとって、環境に配慮した持続可能な経営(環境経営)を行えるかが大きな課題となっています。しかし幸いなことに、ゼロカーボンを達成するために事業の変革に取り組む際には、排出量をデータ化する先進技術という大きな助けがあります。データは、計画を策定し最終的にゼロカーボンを達成するために重要な役割を果たすのです。
デジタル技術の活用で、二酸化炭素削減目標の3分の1を達成可能
データベースは、考えられそうな被害を予測し、それに対して実行可能な解決策を発見・回避するという重要な役割を果たします。データベースの活用はすでに注目されており、例えば英国王立協会は、国内のテック企業に対し、データセンターからの排出量の全容に関するデータを共有することや、コンピューティング活動を再生可能エネルギーの供給がピークとなる時間帯に行うことを政府に要求するよう提言しました。
英国王立協会によると、スマートメーター、スーパーコンピューター、気象モデリング、人工知能(AI)などのデジタル技術によって、2030年までに必要とされる二酸化炭素排出削減量の約3分の1を実現することができるようです。
企業の戦略にネットゼロ目標を組み込むことが必要
企業にとっては、デジタルトランスフォーメーションの導入のみならずゼロカーボンを実現するための包括的なビジネストランスフォーメーションも必要です。PwC社の最新レポートによると、この変革は、企業の成長戦略と今後のオペレーションモデルに対するゼロカーボンの影響を理解することから始まります。そのためには、サプライチェーンやガバナンス、財務やイノベーションなど、すべてのビジネス機能にゼロカーボンの目標を浸透させる必要があります。
理想形は、サステナビリティ目標の達成に向けて、トップダウンで明確な説明を行い、そのために必要な企業文化を最高経営責任者が積極的に推進する形です。また、研究開発に積極的に投資して、サステナビリティを優先した製品やサービスを生み出すことも必要でしょう。
データは、企業が今後数年、数十年にわたって継続的にゼロカーボンの目標を達成するために重要な役割を果たします。