カーボンプライシング(CP)とは?脱炭素化・CO2削減に向けた2つの制度と企業の対応策

カーボンプライシング(CP)とは、二酸化炭素(CO2)に明確な価格基準を設定することです。近年、国際的に地球環境を保全する取り組みが本格化し、さまざまな国で執り行われています。本記事では、脱炭素化に向けた日本のカーボンプライシング制度を2つ紹介し、企業が地球温暖化対策と節税の両者を適切に行うための策をご提案します。

目次

カーボンプライシング(CP)とは?

カーボンプライシング(CP)とは、その名の通りカーボン(二酸化炭素:CO2)をプライシング(価格を付ける)することです。排出された二酸化炭素(CO2)量に応じて、企業や家庭に金銭的負担を求めます。日本では、「炭素の価格付け」と呼ばれることもあります。

カーボンプライシングによって、これまで義務付けがなかった二酸化炭素(CO2)の削減目標に強制力を持たせることができるのです。

カーボンプライシングの設置目的と現状

パリ協定の発効を受け、昨今カーボンゼロを目指す世界的な潮流が活発になっています。そのなかで、カーボンプライシングはどのような役割を持つのでしょうか。また、世界や日本における導入の現状はどのようなものでしょうか。この項ではこの2点について説明します。

カーボンプライシングの設置目的

パリ協定の合意内容である、2050年までに二酸化炭素(CO2)を80%削減する、気温上昇を1.5℃までに抑えるといった目標を受け、世界各国で脱炭素社会に向けて舵が切られています。具体的な排出量削減計画が求められるなかで、排出量に金銭的コストという明確な基準を加えるカーボンプライシングの果たす役割は大きいでしょう。

企業や消費者の主体的な行動を変化させ、イノベーションを誘発することが期待されます。

カーボンプライシングの現状

フィンランドが世界で初めて炭素税を導入し、その後EU加盟国を中心に広がりました。輸入品についてその製造過程での排出量に課税する炭素国境調整措置は、EUやアメリカで検討が進んでいます。

主に欧州各国で導入が進んでいますが、排出量において世界1位・2位のアメリカと中国では現時点では普及していません。しかし、中国は2017年に、アメリカにおいては州単位で排出権取引を導入しているため、今後の普及が期待されます。

日本においては、地球温暖化対策税の導入などカーボンプライシングの取組が始まりつつあるもののまだ十分ではありません。地球温暖化対策税についても、税率が低く石炭火力発電をコスト面から圧迫するまでの効果は得られていない状況です。

原因は、企業に少なからず新たな負担がかかることです。特に、産業部門を擁する経済産業省は慎重な姿勢を崩すことはできません。さらに、導入が決定した後も、税率や排出量の上限などについて経済活動と地球温暖化対策の両方に公平で有効な設定が必要です。

カーボンプライシング導入においては、企業へのペナルティではなく地球温暖化対策の動機付けとなるよう、経済活動と両立可能な案を検討しなければなりません。もし企業に負担にならない制度が整えば、カーボンプライシングは日本においても普及するでしょう。

今年度より経済産業省と環境省の両省で本格的な議論が開始され、年内には結論を出す予定です。果たして今回の議論がカーボンプライシング導入に繋がるか、注目しましょう。

カーボンプライシングの2つの制度

カーボンプライシングのための仕組みには、炭素税と排出量取引制度の2つがあります。以下、それぞれの制度について内容と問題点、日本での導入状況について述べていきます。

炭素税と排出量取引制度

1.炭素税

二酸化炭素の排出量に応じて、企業などに税金を課す制度です。石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が対象となります。石油の燃料価格やそれを使用した製品の価格が上がるため、製造する企業のみならず消費者にも影響します。

この制度は、企業から見た場合、炭素価格が固定されるため費用の見通しが立てやすくメリットの大きい仕組みです。しかし、国全体で見た場合はデメリットもあります。企業の炭素税への対応について確実な予測ができないため、排出削減量についての見通しが立てられないのです。

日本では、炭素税の仕組みを取り入れた「地球温暖化対策税」が2012年から導入されています。税額は、二酸化炭素(CO2)排出1トン当たり289円です。ガソリンで換算すると、ガソリン1リットル当たり約0.7円となります。ただし、この価格はカーボンプライシングの効果を発揮するのに十分とは言えません。今後、価格の見直しが必要になるでしょう。

2.排出量取引制度

上述の炭素税では炭素の価格を固定していたのに対し、こちらでは排出量を固定します。政府が排出枠を設定し、企業はその枠を超えないように留意して事業活動を行います。排出量が超過した場合は、枠が余っている企業からその枠を買い取り調整することも可能です。

似た制度としてカーボンオフセットがありますが、排出権取引においては枠を超過してはならないという強制力があるのに対し、カーボンオフセットにはそのような強制力はありません。

カーボンオフセットとは、排出された二酸化炭素(CO2)を別の場所での削減・吸収活動によって相殺しようとするものです。

詳しくは下記の記事をご参照ください。

>>カーボンオフセットとは?事例と用語をわかりやすく解説! (netzeronow.jp)

カーボンプライシングに向けた企業の取り組み

カーボンプライシングの導入に向けて、企業はこれまで以上に二酸化炭素(CO2)排出量削減に尽力しなければなりません。これから紹介する再生可能エネルギー導入とカーボンオフセット制度の利用は、企業が事業活動に負担をかけず排出量を削減するために非常に効果的です。

再生可能エネルギーとカーボンオフセット

再生可能エネルギー(持続可能エネルギー)の使用

石炭火力発電によるエネルギーの使用を続ければ、二酸化炭素(CO2)の排出枠を超過する、または事業の予算を超える課税を受けてしまうでしょう。ここで有効なのは、再生可能エネルギーへの転換です。

エネルギー転換には、二酸化炭素(CO2)の排出量削減のみならず、企業のパブリックイメージの向上、新規ビジネスによる事業機会の拡大など、さまざまなメリットがあります。実際に、キリンホールディングスや楽天グループなど数多くの企業が使用電力を再生可能なものに置き換える具体的な計画を公表しています。

さらに詳しい再生可能エネルギーの導入事例やメリットについては、下記の記事をご参照ください。

>>再生可能エネルギーを導入・提供している企業とは|取り組み事例も紹介! | NET ZERO NOW

このwebメディアを運用している、株式会社ecologicaでは、国内外の太陽光発電事業に関するさまざまなサービスを提供しており、最近では、太陽光発電由来の再エネ電源調達を目的として、自社海外工場屋根に太陽光発電設備導入を検討されている企業に対し、第三者所有型PPAモデルの推奨・支援を行っています。

下記のURLからお問い合わせください。

>>再エネ/太陽光発電の活用 | ecologica

カーボンオフセット

カーボンオフセットとは、企業や個人が二酸化炭素(CO2)の排出量を把握し、まず削減努力を行ったうえで削減しきれない分を削減・吸収事業で埋め合わせるというものです。削減・吸収事業での削減量は、その量に応じてクレジットという市場で取引可能な形になります。これを購入することで、購入分の二酸化炭素(CO2)を削減したとみなされるのです。カーボンオフセットは、企業の削減目標達成のみならず森林保全や事業を行う開発途上国への金銭的支援にも繋がります。

自社でカーボンオフセットに取り組みたいと考えている方は、下記のURLをご参照ください。株式会社ecologicaがあなたの企業の取組をサポートします。

カーボンニュートラル | ecologica

カーボンプライシングの準備を

二酸化炭素(CO2)の削減を義務付けるカーボンプライシング。この仕組みの登場は環境問題への取組がもはや慈善事業ではないことを裏付けているようにも思えます。

企業の社会的責任を果たすために、今回ご紹介した制度を用いて低炭素社会実現に主体的に貢献しましょう。カーボンプライシングは、決して事業を圧迫するものではなく低炭素社会と経済成長の両立に繋がる仕組みなのです。

>>低炭素社会に向けた取り組みとは?企業や個人がすべき具体例を紹介 | NET ZERO NOW

株式会社ecologicaは、企業の低炭素社会に向けた取組を支援するサービスを提供する企業です。これから持続可能な社会に向けた事業を始める、またはさらに効果的な取組を検討する企業を支援します。

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