世界のトップ企業のうち、気候変動に関する情報開示を行っているのはわずか1.2%

bannar

ロンドン発ロイター通信によると、世界の大企業5,000社のうち、気候変動リスクを実質的に開示しているのは1%にも満たず、半数以上は全く開示していないことが、ESGリサーチ・投資マネージャーのアラベスク社のデータで明らかになりました。

アラベスク社が分析した企業のうち、2019年に気候関連財務開示に関するタスクフォース(TCFD)の11の提言すべてを報告した企業はわずか1.2%で、そのほとんどが大規模な上場企業でした。上位企業の54%は開示を行わなかったと付け加えました。

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TCFDの情報開示

TCFDは、G20の要請を請け金融安定理事会(FSB)が2015年に設置したもので、企業が気候変動によるリスクと機会を自主的に開示する方法について、2017年に提言を発表しました。

土曜日に開催された国連気候変動協議では、地球温暖化の主要因である化石燃料に初めて焦点を当てた合意がなされたことから、投資家は企業の気候変動に対するエクスポージャーにますます注目しています。

情報開示の質の改善が求められる

アラベスク社のダニエル・クリエ社長は、「私たちは、約束を実行に移す必要があります。TCFDは誰もが注目しているフレームワークであり、情報開示の質を大幅に改善する必要があります」と述べています。

アラベスク社の分析によると、医療およびテクノロジーサービス業界は、70%以上が情報開示を行っていないという最悪の事態に陥っていますが、エネルギー業界は最も多くの情報を提供している業界のひとつです。「投資家の厳しい目にさらされている業界は、より良い仕事をしようとしている業界なのです」とクリエ社長は述べています。

イギリス、EU、ブラジル、香港、日本、ニュージーランド、シンガポール、スイスなどの規制当局は、情報開示を義務付ける根拠として、TCFDの提言を利用し始めています。

参考記事
>>https://finance.yahoo.com/news/only-1-2-worlds-top-000645610.html

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