非化石証書がRE100に認定|言葉の定義と改定内容を徹底解説【2021年最新版】
非化石証書がRE100に認定されました。非化石証書は、電気小売事業者が自身の販売する電気が再生可能エネルギー由来であることを証明する証書で、環境保全を目指すイニシアチブに用いることができます。一方、RE100とはそのようなイニシアチブの一種で、加盟団体が活動内での再生可能エネルギー使用率100%を目指すものです。本記事では、非化石証書がRE100に認定される2021年度の改定内容を紹介した後に、非化石証書による再エネ普及の効果を解説します。
非化石証書がRE100に認定
非化石証書がRE100に認定されました。非化石証書は、電気小売事業者が自身の販売する電気が再生可能エネルギー由来であることを証明する証書で、環境保全を目指すイニシアチブに用いることができます。一方、RE100とはそのようなイニシアチブの一種で、加盟団体が活動内での再生可能エネルギー使用率100%を目指すものです。
これまで、一部の非化石証書しかRE100に用いることができませんでしたが、2021年度の改定により使用可能な非化石証書が追加されました。
本項では、まず非化石証書とRE100それぞれについて簡単に解説していきます。
非化石証書とは?
非化石証書は、電気小売事業者が自身の販売する電気が再生可能エネルギーから作られていることを証明するための証書です。非化石証書には、「FIT非化石証書」、「トラッキング付きFIT非化石証書」、「非FIT再エネ指定非化石証書」、「非FIT再エネ指定なし非化石証書」の4種類があります。
のちほど詳しくご説明しますが、従来RE100に用いることができるのは「トラッキング付きFIT非化石証書」のみであったのが、近年「非FIT再エネ指定非化石証書」も使用可能となりました。
RE100とは?
RE100は、企業や自治体などの団体が、事業で用いる電気の100%を再生可能エネルギーで賄うことを目標に掲げるイニシアチブ(環境問題改善のための構想)です。COP26の開催もあり地球温暖化問題への意識が高まる中、環境問題に取り組む企業であると認識されることは経営において必須となっています。そのため、再生可能エネルギーの普及に取り組んでいることを証明できるRE100への加盟は、企業にとって非常にメリットが大きいのです。
ただし、加盟には使用電力の規模など一定の条件があります。条件を満たすことのできない中小企業には、加盟の条件を取り去ったRE100の中小企業版、「再エネ100宣言 RE Action」がおすすめです。
非化石証書4種類とRE100の関係
非化石証書には、FIT制度に指定されている電力について認証する「FIT非化石証書」、政府により発電施設等の情報を追跡された「トラッキング付きFIT非化石証書」、FIT制度に指定されていない、指定期間が過ぎたなどの再エネについての「非FIT再エネ指定非化石証書」、非FITかつ、化石燃料でないものの再エネにも定義されない電力(主に原子力発電による電力)についての「非FIT再エネ指定なし非化石証書」の4種類があります。
FIT制度とは、再生可能エネルギーによって発電された電力を国が固定価格で買い取る制度です。この制度により、電気事業者は再生可能エネルギー発電関連の開発や設備にかかる費用を抑えることができます。
これらの非化石証書は、CDPやSBTなどの環境問題解決を目指すイニシアチブに活動の成果として用いることができます。ただし、RE100については、従来は上記の内「トラッキング付きFIT非化石証書」しか認定されませんでした。しかし、今回の改定で新たに「非FIT再エネ指定非化石証書」が認定されることとなったのです。
非化石証書が再エネ普及のカギ
非化石証書の目的の1つは、私たち市民が再生可能エネルギーを利用するための金銭的負担を軽くすることです。これまで、再エネには、再エネ賦課金(電気事業者が再生可能エネルギーで発電するコストを消費者の電気料金に含めること)が消費者の負担になってしまうという問題がありました。しかし、非化石証書を購入する電気事業者が増えれば、その購入分で再エネ賦課金を賄うことができるのです。こうして電気事業者、消費者双方の負担が軽減されることで、コスト面での心配無く再エネ導入が進むため、結果として再エネ普及に繋がるでしょう。
非化石証書・グリーン電力証書・J-クレジットの違い
非化石証書と同じ再エネ証書に、グリーン電力証書とJクレジットがあります。この3つはどれも環境問題への取組を目に見える形に表すことのできるものですが、その詳しい用途は異なります。本項では、非化石証書とグリーン電力証書、非化石証書とJ-クレジットの違いについて理解していきましょう。
本項の内容について、こちらで詳しく解説しています。
グリーン電力証書との違い
グリーン電力証書は、ある電力が再生可能エネルギーで作られたものであることを証明する証書です。非化石証書と同じであるように思えますが、大きな違いは購入者です。非化石証書の対象が電力小売事業者であるのに対し、グリーン電力証書は企業や個人などになります。また、非化石証書と異なり例外無くRE100に用いることができます。
J-クレジットとの違い
J-クレジットは、植林や再生可能エネルギー導入などの環境保全活動による温室効果ガスの削減量を国が認証した証書です。農林水産省や環境省等によって運営され、創出されたクレジットは、企業がやむを得ず排出した温室効果ガスを埋め合わせる(カーボンオフセット)ために購入します。
非化石証書との違いは、グリーン電力証書と同じく購入者が電気事業者に限られない点と、証明するものが化石燃料を用いていないことではなく温室効果ガスの削減量である点です。また、こちらもグリーン電力証書と同様に例外無くRE100に用いることができます。
まとめ|非化石証書で再エネ普及へ
今回非化石証書のRE100への利用が可能になったことで、再エネ普及への道がさらに大きく開かれました。企業が温室効果ガス排出量削減に取り組むための基盤が整いつつある今が、再エネ導入に取り組むには最良のタイミングではないでしょうか。顧客の信用を獲得し企業として成長していくために、非化石証書などの制度を利用し再エネ導入を進めましょう。
またこのwebメディアを運営している、株式会社ECOLOGICAでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。ECOLOGICAは、世界最大級の太陽光専門商社PROINSOグループの日本総代理店です。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。
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