風力発電のメリット・デメリットを網羅的に紹介!仕組みや種類もあわせて解説
風力発電について、なんとなくは知っているけれど、その仕組みや種類は知らないという人は多いのではないでしょうか。本記事では、それらに加えて、メリットやデメリットについても解説していきます。
風力発電とは
「風力発電」とは、その名の通り風の力を利用して発電する方法です。
加速する地球温暖化に歯止めをかけるため、今世界で推進されているのは再生可能エネルギー(以下再エネ)への転換です。風力発電は再エネの1つであり、太陽光発電や水力発電などとともに利用拡大が進められています。
2018年におこなわれた日本の資源エネルギー庁の調べによると、日本の発電量全体の16.9%が再エネであり、風力発電はその中の0.7%を占めていることが分かりました。まだまだ少ないのが現状ですが、設置数は確実に増えてきています。
参考:国内外の再生可能エネルギーの現状と 今年度の調達価格等算定委員会の論点案 (meti.go.jp)
風力発電の仕組み
風力発電は風の動きを風車(風力タービン)によって回転エネルギーへと換え、それを発電機を通して電気エネルギーに変換します。古くからの風車と違う点は、回転エネルギーを増やす増速機がついている点や、電気エネルギーへの変換が可能な発電機がついている点です。
風力発電の種類
風力発電には、さまざまな種類が存在します。本章では、発電機の形や設置場所から見た違いを解説していきます。
風車の種類
風車の形には、大きく分けて2つの種類があります。
水平軸型
「水平軸型」の風車は決められた方向からの風にしか対応することができません。一般的に、「風車」と聞いて思い浮かぶのはこの水平軸型のものです。
垂直軸型
「垂直軸型」の風車は多方面からの風に対応することが可能ですが、水平軸型の風車よりも発電効率が悪くなります。
設置場所による種類
設置場所によっても2つの種類に分けることができます。
陸上風力発電機
「陸上風力発電機」とは、一定した強さの風が安定して吹いている海岸沿いや高原などに設置されています。
洋上風力発電機
「洋上風力発電機」とは、海での風力発電のことを指します。さらにその中でも風車を海底に固定する「着床式」と、海底に固定せず浮かべる「浮体式」の2つの種類に分けられています。
参考:風力発電の仕組みとは?メリットやデメリットも紹介 (netzeronow.jp)
風力発電のメリット
本章では、風力発電のメリットについて解説していきます。
環境への負荷が低い
風力発電は風自体が発電の材料となるため、火力発電や原子力発電のように燃料を必要としません。CO2や排気ガスなども発生しないため、環境への負荷がとても少ない発電方法です。
発電効率が良い
太陽光発電や木質バイオマス発電、地熱発電の発電効率が約20%とされる中で、風力発電の発電効率は20〜40%と高い数値を記録しています。
再生可能エネルギーの中で1番発電効率が良いのは水力発電であり、約80%を記録しています。
時間を選ばない
風力発電は一定の強さの風があれば、昼夜関係なくいつでも発電することが可能です。同じ再生可能エネルギーである太陽光発電は太陽が出ている日中しか発電できないため、時間関係なくいつでも発電できることは1つの強みとなっています。
風力発電のデメリット
風力発電はメリットがたくさんありますが、デメリットもいくつか指摘されています。
天候に左右される/設置場所が限定される
風力発電は、昼夜関係なく発電できるメリットがある一方、一定の風が吹いていなければ発電することができません。そのため、風車を設置する場所を吟味する必要があります。
メンテナンスコストが高い
風力発電設備は台風や雪、砂塵、塩などの付着によって劣化していきます。そういったメンテナンスコストや、一式を揃える初期費用が高額なことが、風力発電の普及の妨げになっています。
騒音
風力発電は発電するためには翼を回転させることが必要なため、翼の風切り音や機械音が響きます。こういった騒音が近隣と問題にならないよう、風力発電設備の改良や設置場所の選定が重要になってきます。
まとめ|クリーンな風力発電
風力発電はまだ解決すべき点が多々ありますが、環境に優しい再生可能エネルギーの1つとして期待が高まっています。自社に合った環境への取り組みを模索し、脱炭素社会の実現を目指していきましょう。