TSVCMとは?今後の目標や最新情報を分かりやすく解説

2020年9月2日に発足したTSVCMは、比較的新しい組織であるにも拘らず、既に注目を集めています。そこで、そもそもTSVCMとは何なのか、これからどのような活動をおこなっていくのか、などについて知っていきましょう。

目次

TSVCMとは?

クレジットの種類と分類

TSVCMとは、自主的炭素市場の拡大に関するタスクフォース(Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets)の略です。自主的な炭素市場(炭素排出に価格をつけるカーボンマーケット)は、ボランタリークレジットを取引する場となります。京都メカニズムクレジットやJ-クレジット制度、二国間クレジット制度など、政府が主導するクレジットはいくつかあります。しかし、それだけではなく、NGOや民間セクターが主導するクレジットも存在するのです。これをボランタリークレジットと言います。

「京都メカニズムクレジット」について詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>京都メカニズムとは?内容や問題点、今後の動向など分かりやすく解説(netzeronow.jp)

「J-クレジット制度」について詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>J-クレジット制度とは?導入方法やメリットをわかりやすく解説(netzeronow.jp)

「二国間クレジット制度」について詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>パリ協定 とは?脱炭素社会の実現に向けた目標と京都議定書との違い(netzeronow.jp)

ボランタリークレジットは、民間セクターなどが管理しているため、自主的炭素市場には法的拘束力がないというメリットがあります。

「ボランタリークレジット」について詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>VCSとは?メリットやその他のクレジット制度との比較、企業事例について説明(netzeronow.jp)

TSVCMは、元イングランド銀行総裁のマーク・カーニー国際気候行動特使が中心となって運営されています。委員長は、イギリスのスタンダードチャータード銀行のグループCEOであるビル・ウィンターズが担い、実務は元米国証券取引委員会委員で、法律事務所デービス・ポークのパートナーが中心となっています。また、実務のアドバイザーは、マッキンゼー・アンド・カンパニーが、知識と助言のサポートを行っています。運営責任者として、デービス・ポークの上級顧問で、米国証券取引委員会の元委員である、アネット・ナザレスが就任しています。スポンサーは、国際金融協会です。

ヨーロッパ、アメリカ合衆国や中国、インドなどの企業の方々がメンバー入りしているのに対し、日本企業のメンバーがいないということが、今後どう影響するのかが注目されています。

TSVCMは、パリ協定にて設定された目標を達成するために設立されました。民間セクターを対象とした、自主的炭素市場の拡大に取り組んでいます。

「パリ協定」について詳しく知りたい方は、こちらのリンクを参照してください。

>>パリ協定 とは?脱炭素社会の実現に向けた目標と京都議定書との違い(netzeronow.jp)

TSVCMの動向

ここでは、最新情報を交えて、TSVCMがどのような目標のもと活動しているかを解説します。

目標

地球温暖化による気温上昇を1.5℃に抑えるためには、2030年までに現在の温室効果ガス排出量を半分まで減少させ、2050年には実質ゼロにしなければなりません。このような厳しい目標を達成するには、自主的炭素市場の存在が欠かせません。少なくとも、現在の市場の15倍は必要と言われています。

既に、いくつかの地域で排出量取引はおこなわれていますが、民間セクターにおいては不十分です。また、そもそも取引がおこなわれていない地域も多いため、巨大な自主的炭素市場の創設は、そのような地域における排出量削減と、既におこなわれている地域での、さらなる取引活性化に繋がります。

どうやって目標を達成するのか?

2020年9月2日に発足したTSVCMですが、次々と目標に向けた動きを見せています。11月10日には、取引におけるルールを作るために、パブリックコメントを募集し始めました。また、2021年1月27日には、巨大な自主的炭素市場を世界に創設すると提言しました。それに伴う、具体的な20のアクションを示したレポートも同時に発表しています。こちらの、20のアクションについて、専門別に分け簡単に説明します。

コア・カーボン原則と属性分類法について

  1. コア・カーボン原則と属性分類法を確立すること。
  2. コア・カーボン原則を守っているかについての評価をすること。
  3. 信頼性の高い供給の拡大を達成すること。

コア・カーボン・レファレンス契約について

4. コア・カーボンのスポット取引や先物取引を導入する

5. 活発な流通市場を設立すること。

6. 相対取引市場の透明化と標準化をおこなうこと。

トレード、ポストトレード、融資やデータのインフラについて

7. 大量の取引ができる、既存のインフラを構築したり、活用したりすること。

8. 回復力のある、既存のポストトレードのためのインフラを構築したり、活用したりすること。

9. 高度なデータインフラを実装すること。

10. ストラクチャード・ファイナンスを促進すること。

オフセットの正当性に関する合意について

11. オフセットの利用に関する原則を確立すること。

12. 企業から要求される、オフセットについてのガイダンスを統一すること。

市場の信頼性の保証について

13. 効率的かつ正確に検証を実施すること。

14. アンチマネーロンダリング(AML)や、KYCと総称される本人確認手続きのグローバルなガイドラインを作成すること。

15. 法的枠組みと、会計的枠組みを確立すること。

16. 市場を利用する人々と市場の機能を管理する機関を設立すること。

デマンドシグナルについて

17. 投資家向けに、オフセットに関する一貫したガイダンスを提供すること。

18. POSシステムなどを利用して、提供するものに対する利用者の信頼性や認知度を高めること。

19. 業界同士の協力やコミットメントを増やすこと。

20. デマンドシグナルのための仕組みを構築すること。

レポートの中で言及されている、RECOMMENDED  ACTIONの中の1つに、SDGsへの貢献があります。直接的ではないにせよ、クレジット活用によってSDGsの達成に貢献することが推奨されています。これは、SDGsについて言及していない、他のボランタリー・クレジットとの差別化に繋がると予想されます。

レポートの内容をさらに詳しく知りたい方はこちらのリンクを参照してください

>>Taskforce on Scaling Voluntary Carbon Markets Summary pack January 25th, 2021(要約)

>>TASKFORCE ON SCALING VOLUNTARY CARBON MARKETS FINAL REPORT JANUARY 2021(完全版)

2021年9月21日には、自主的炭素市場の信頼性を向上させるために、独立した統治機関を設立することを発表しました。多種多様な分野におけるの、専門知識や経験のある方々をメンバーに招いています。

今後の展開

地球温暖化の進行に伴い、ますます多くの企業が排出量削減に取り組むことが望まれています。それに伴って、投資家は企業の環境対策に、より注目していくことでしょう。そこで、民間セクターの自主的炭素市場拡大を目指しており、またSDGsへの取り組みも重要視する、TSVCMのクレジットは、今後世界中で利用されると考えられます。

本サイトを運営している株式会社ECOLOGICAは、自主的炭素市場にて取引されているカーボンクレジットを提供しております。

興味のある方は、こちらのページからご連絡下さい。

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