I-REC(海外再エネ電力証書)とは?REC(グリーン電力証書)の違いとメリットを紹介
I-REC(海外再エネ電力証書)とは、海外における再エネ電力証書の1つです。日本ではREC(グリーン電力証書)に加えて「I-REC」の必要性も唱えられるようになり、一般社団法人ローカルグッド創成支援機構は「I-REC」の国内初実証を行いました。本記事では、そうした背景を踏まえて、I-REC(海外再エネ証書)と、REC(グリーン電力証書)の違いやメリットについて解説していきます。
I-REC(海外の再エネ電力証書)とは?
「I-REC(海外の再エネ電力証書)」とはInternational Renewable Energy Certificateの頭文字を取った言葉であり、海外における再エネ電力証書の1つです。代表的な再エネ電力証書はI-REC、REC、GOの3つあり、I-RECは、RECとGOの対象国以外を対象としています。
I-RECは各国のグリーン電力証書を国際的に認定するシステムであり、第三者の立場から認証しているため、信憑性が高いことで注目を浴びています。
経済産業省が提出している『平成30年度 国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施委託費(国内における環境価値取引市場の動向調査) 報告書』では、I-RECは次のように定義されています。
非営利組織である The I-REC Standard が提供する「ルールブック群及びそれに基づく電子的なトラッキングシステム」により認証・発行される再エネ電力証書
平成30年度 国内における温室効果ガス排出削減・吸収量認証制度の実施 委託費(国内における環境価値取引市場の動向調査) 報告書 (meti.go.jp)
本章でREC、GOとの違いを説明しますが、以下の画像が大まかな違いを示しています。
I-RECの公式ホームページはこちらです。
>>I-REC authorizes issuance in Japan (irecstandard.org)
REC(グリーン電力証書)とは?
「REC(グリーン電力証書)」とはRenewable Energy Certificateの頭文字を取った言葉であり、再生可能エネルギーの導入を義務付けるRPS(Renewable Portfolio Standard)制度の導入を目的とした、トラッキング(追跡)システムの下で発行される証書です。上の表にもある通り、米国、カナダなどの北米を対象としています。
GO(発電現証明)とは?
「GO(発電現証明)」とは、Guarantee of Originの頭文字を取った、EUを対象としている証書です。消費者に対して電力に関する情報を開示するよう、加盟国に求めています。
I-REC(海外の再エネ電力証書)の目的と要件
本章では、I-REC(海外の再エネ電力証書)の目的と要件について解説していきます。
I-REC(海外の再エネ電力証書)の目的
日本におけるI-RECの1番大きな目的は、再生可能エネルギー(以下再エネ)の利用の拡大です。近年、環境経営に向けての取り組みが国内の各企業で始まり、それにともないRE100やESG投資が注目を浴びています。
そのひとつの取り組みとして、日本では再エネから生まれた電力の環境価値の部分を可視化した「非化石証書」のトラッキングシステムの実証が進められています。このことから、I-RECではトラッキングの実施をしていない非FIT再エネの自家消費や相対契約を対象としています。
参考:地域新電力プラットフォームが国際的な再エネトラッキングの実証 一社ローカルグッド創成機構が着手 (energy-shift.com)
I-REC(海外の再エネ電力証書)の要件
I-RECは対象としている国がほかの2つ(REC/GO)と比べると多いのですが、その内容は国によって異なります。日本の場合は、
- FIT非化石価値証書・グリーン電力証書・J-クレジットが発行されていない発電分であること
- 非FIT非化石価値証書の対象となっている発電分がであること
の2つが条件です。
参考:I-REC authorizes issuance in Japan (irecstandard.org)
I-REC(海外の再エネ電力証書)のメリット
本章では、I-REC(海外の再エネ証書)の3つのメリットをご紹介します。
国際的な認知度と信頼度が高い
I-RECは日本だけでなく、20カ国以上もの国を対象としているため、国際的にも認知度が高いです。さらに環境意識の高い外資系企業からの信頼も厚く、企業にとってのスタンダードとなりつつあります。
非FIT再エネ発電の取引を促進
前章でも触れた通り、I-RECはトラッキングがされていない非FIT再生可能エネルギー(非FIT再エネ)の自家消費や相対契約を対象としています。新しい非FIT再エネの多くは相対契約や自家消費がされるとし、これをI-RECを利用して可視化します。それをもとに需要家に購入を促し、再エネの価値を向上させることが見込めます。
参考:ローカルグッド、再エネ証書I-RECの国内発行主体に (s-housing.jp)
REC(グリーン電力証書)と同じメリットを享受できる
I-REC(海外の再エネ電力証書)はREC(グリーン電力証書)と同じメリットを享受することが可能です。REC(グリーン電力証書)の具体的な例としては、
- 地球環境に貢献することが可能
- 社会貢献・CSRの一環として企業のイメージ向上につながる
- CDP/SBT/RE100などの報告書に記載することが可能
の3点が挙げられます。
I-RECとRECの導入検討を
地球温暖化が進むとともに、個々人や企業の環境への取り組みもマストになりつつあります。I-RECやRECはCDPやRE100と同様に、国内だけでなく、海外でも認知度が高い取り組みです。こういった取り組みに参加することで、環境への貢献になるだけでなく、取引相手の企業や消費者へのイメージアップも図ることができます。地球温暖化に責任を持ち、各個人や各企業が環境活動に一歩一歩取り組んでいきましょう。
またこのwebメディアを運営している、株式会社ECOLOGICAでは、グリーンプロジェクトとして国内外の自社拠点に太陽光発電由来の再エネ電源導入を企画検討されている国内企業に対し、さまざまなサービスを提供、支援をおこなっています。ECOLOGICAは、世界最大級の太陽光専門商社PROINSOグループの日本総代理店です。温室効果ガスの排出量削減手段として、再生可能エネルギーの導入(特に海外拠点の再エネ調達)を検討している、という方は、こちらからお問い合わせください。
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